“未来に起こりえる問題”を先回りして解決!? 北里大学に新設された「未来工学部」とは? 学部長が解説!
◆社会に出て役立つ未来工学部の“学び”
続いて、未来工学部の授業内容について伺うと、岡さんは「工学部ではあるんですけど、実験や機械を作ることはやりません。そうなると、我々が生み出せるのは“プログラム”なんですよね。だから、今はプログラミングにかなり力を入れて教えています。ゆくゆくは(生徒たちを)『プログラミングができます!』と堂々と客先で言えるようなエンジニアにしたいですね」と力を込めます。 また“データサイエンス教育”についても言及し、「データをいかに定量的に扱うか、または、複雑で山のようなデータをどうしたら理解できる形に仕分けることができるのか。これがデータサイエンスのやりたいことで、その大量のデータを仕分けるためには多少の“理屈”が必要です。この分野で理屈となると数学なので、そこは少し学ばないといけない。一方で、理屈だけでは(学生は)なかなか動かないし、理屈だけを詰め込むと頭が爆発してしまうので、実際にデータを渡していじってみることも必要になります。そういう際にも、やはりプログラミングはできたほうがいいので、“知識としてのデータサイエンス”と“手に職としてのデータサイエンス”の両方から攻めていくのが我々の教育になります」と説明します。 この教育方針に、笹川は「データだけ集めても、それを使いこなせて仕分けられないと仕事に活かせない。その学びを得ていると、社会に出たときに即戦力になれますよね」と感心しきり。 さらには、「ライフサイエンス・メディカル系に強い大学のデータサイエンスというと、医療や創薬の分野に向かいがちですが、我々の学生には『お花屋さんにいけばお花屋さんの、魚屋さんにいけば魚屋さんのデータサイエンスがあって、そういうところに関わることで今までとは違った新しい気づきがある』という話をしています」と岡さん。 これは“新しい課題には常にゼロから立ち向かうこと”が重要なことと言い、「“私は〇〇の専門家だから……”ということは全部捨てて、『相手が言っている言葉が分からなければ「どういう意味ですか?」とちゃんと聞いて、相手と同じ土俵に立つ。そこからが仕事だよ』という話をよくしています」と声を大にします。