【C大阪】昨季限りで引退の山下達也氏が強化担当として再出発 J1通算150試合出場の主将
セレッソ大阪は9日に開かれた新体制会見で、プロ19年目の昨季限りで現役を引退した主将でDFだった山下達也氏(37)が、今季からクラブの強化担当にあたるチーム統括部に入ることを発表した。 兵庫・明石市生まれの山下氏は、御影工から06年、1学年下のMF香川真司(35)とともに入団。途中で北海道コンサドーレ札幌、柏レイソルに移籍したが、C大阪に復帰した。 主にセンターバックとしてJ1通算150試合7得点を記録し、昨年11月30日の鹿島アントラーズ戦後は引退セレモニーも行われ、クラブの功労者として評された。 当初は下部組織でコーチに就く案もあったが、強化担当としてセカンドキャリアの第1歩を踏み出す。9日の会見では、梶野智チーム統括部長(59)が「新たな我々の力となっていくことを、本当に期待している」と説明した。 強化担当の仕事は大学生、高校生らのスカウトや、近く対戦するチームの試合視察、クラブ内外の細かな折衝など多岐にわたる。特に新卒のスカウトでは対象選手の保護者や、所属先の指導者と信頼関係を結ぶことが、この業界では一流の入り口といわれる。 山下氏も高校3年時、当時スカウト担当だった小菊昭雄前監督が訪れ、大学進学を勧めた母親を山下氏も含めて説得し、プロ入りした経緯がある。人格者といわれる山下氏には、新たな才能が発揮される分野かもしれない。 同期の香川は昨年12月、自身のインスタグラムで盟友に対して「最後一緒に戦えて良かった。これからは次のステージでクラブの根本を大きく変えてください。お互い頑張ろう」と、メッセージを送っている。 昨年の引退セレモニーで山下氏は「このチームがリーグ優勝するために何が必要か、しっかり勉強して何らかの形で優勝に導きたいと考えている。すべてはリーグ優勝から逆算しながら、ここからのセカンドキャリアを歩んでいきたい」と決意を示していた。 ◆山下達也(やました・たつや)1987年(昭62)11月7日、兵庫・明石市生まれ。御影工から06年に1学年下のMF香川真司らとC大阪入り。11年札幌に完全移籍し、12年にC大阪復帰。19年途中から柏に完全移籍し、22年にC大阪復帰。14年に日本代表候補にも入った。空中戦と対人プレーが得意なセンターバックでJ1通算150試合7得点。13年Jリーグ優秀選手賞受賞。182センチ、77キロ。