炎上どころか大絶賛…最も成功した少女漫画の実写化は?(5)再現度が素晴らしい…ファン絶賛の完璧な配役とは?
「こんな恋がしてみたい」と、世の女性たちの心をときめかせてきた“少女漫画”。実際にはありえないような夢物語も特徴の1つであり、実写化作品の失敗例は多く、まさに死屍累々である。しかし、中には原作ファンの心を掴むことに成功した作品も。今回は少女漫画の実写化を見事に成功させた映画を紹介する。第5回。(文・かんそう)
『NANA』(2005)
監督:大谷健太郎 脚本:大谷健太郎、浅野妙子 出演者:中島美嘉、宮崎あおい、成宮寛貴、松山ケンイチ、平岡祐太、サエコ、伊藤由奈、丸山智己、玉山鉄二、松田龍平 【作品内容】 バンドでビッグになることを夢見るナナ(中島美嘉)と、夢に夢見る奈々(宮崎あおい)。偶然の出会いを果たした何もかも正反対の2人は、ひょんなことから同居生活を始めることになる。 【注目ポイント】 出演は宮崎あおい、中島美嘉、松田龍平、成宮寛貴、松山ケンイチなど。「少女漫画といえば?」と問われれば、ほとんどの人間が最初に名前を挙げるであろう伝説の作品として名を馳せている本作。 メジャーデビューを目指すバンドのボーカリスト・大崎ナナと、ごく平凡で恋が最優先のキュートな女の子・小松奈々、ファッションも性格も真反対の2人のNANAが紡ぎ出す、一筋縄ではいかない恋愛模様は当時多くの人間を狂わした。 そんな作品が実写化すると知った時、まず真っ先に心配したのがキャストだろう。誰が演じられる? 特に、大崎ナナを。バンド「BLACKSTONES」のメインボーカリストで、ミステリアスな雰囲気を纏わせたド派手なメイクが特徴の黒髪ショートカット。そのビジュアルはもちろん、NANAで重要なのは音楽のシーンだそこが中途半端になってしまうと、途端に魅力は半減してしまう。いったい誰が。 中島美嘉 「そうきたか」と誰もが驚愕したそのキャスティングに当時目玉が飛び出そうになったのを覚えている。その再現度はまさに「漫画から飛び出してきた」と言っても過言ではなかった。 そしてNANA実写化を語る上で避けて通れないのが主題歌だ。作曲をL’Arc~en~CielのHYDE、作詞は原作者の矢沢あいが手掛けた「GLAMOROUSSKY」は未だに「名曲」として語り継がれるほどだ。すべてにおいて完璧としか言いようがない実写化『NANA』。改めてその凄さにグラマラススカイしてほしい。 (文・かんそう)
かんそう