Stray Kidsが5万5千人のファンと東京ドームで熱唱 「会場が大きくなっても変わることなく、皆さんに届くように歌い続けます」
「God's Menu」の余韻が収まらないドームに口笛のような音が流れた。「S-Class」だ。あらん限りの緩と急を詰めこんだジェットコースターのような展開はやはり革新的。両手をクロスさせ細かく動かす振り付けも中毒性抜群だ。 「VENOM」からメインステージの上方に設けられたステージでのフィリックスのソロダンスパートになだれこみ、フィリックスがおもむろに「MANIAC」と口にし、「Let's go」という掛け声を上げ、ジャンプしてメインステージに降り立ち、他の7人と合流するという本編ラスト曲「MANIAC」の導入もひとつのピークだった。 ■変わらない等身大の姿 アンコール。カジュアルな衣装に着替えた8人が軽快に抜きの美学を見せた「I Like It」。5万5千人の歌声が響いた「CASE 143-Japanese ver.-」と「My Pace -Japanese ver.-」。ハンは「皆さんの歓声が大きければ大きいほど僕たちのパワーは充電されます。STAY、叫べー!」と言ってSTAYの声を全身で浴び、「ありがとうございます。フル充電されました。僕たちの音楽は会場が大きくなっても変わることなく、皆さんに届くように歌い続けます」と伝えた。これまでの楽曲のモチーフをちりばめ「Stray Kidsの音楽は止まらない」と歌うメモラブルな楽曲「Stray Kids」をSTAYと一緒に歌った後は、8人とSTAYによる「MIROH」の歌の練習が始まった。「STAY! 頑張ってね!」と声援を送ったバンチャン。時代を代表するグローバルグループとなった今でも友達のような目線でオーディエンスとコミュニケーションをする姿勢は変わらない。「MIROH」で5万5千人がジャンプをしながら声を揃え、次の「Chk Chk Boom(Festival Ver.)」はステージも客席も楽しそうに踊った。 ライブはこれで終了。「帰るよ!」という声が上がるが、ヒョンジンがセンターステージに寝転がって帰りたくない様子。チャンビンも隣に横たわり、他のメンバーが次々と重なっていった。ハンはリノに乗りかかられ「重い!」と悲痛な声を上げた。急遽「Haven」が披露されることになり、最後の最後までSTAYと歌い続けた8人。歌/ラップ/ダンスを磨き上げてさらなる可能性を示す一方で、音楽とメンバーとファンへの多大なる愛情に満ちた等身大の姿がそこにはあった。それがStray Kidsなのだ。 (ライター・小松香里) ※AERA 2024年12月9日号
小松香里