名古屋市長選、立候補予定3氏が討論会(全文1)トリエンナーレの問題を場外へ持ち出した
市の停滞を招く大きな一因に
横井:横井利明です。よろしくお願いいたします。まずリコールについては、これは国民固有の権利であり、そのことについて私はきちんと守っていきたいという立場でございます。ただ、一言で申し上げればトリエンナーレの問題を場外へ持ち出したということだと思います。あいちトリエンナーレにおける「表現の不自由展」の展示物については、私自身は不愉快だというふうに感じています。しかし、この問題をリコールに結び付けてしまったことで、県・市の連携は完全に破壊されてしまいました。新型コロナの対応についても市長から知事への要請・連携がまったくできない状況になり、その被害を受けたのは紛れもなく市民の皆さま方です。名古屋市のコロナ病床が逼迫していても、市長から県内や県外への要請が十分できなかった。そして入院できずに残念ながら命を落としてしまった方もあった。リニア開業を控えた名古屋駅もまったく議論が行われていない。市長から知事への要請も、今まったく行われていない状況で、関連事業が今、完全にストップしています。 トリエンナーレの問題は、私はトリエンナーレで解決すべきだと思っています。にもかかわらず、市長が場外戦に持ち込んでしまったことで、もともと国や近隣の市町村とも関係が悪化していた、さらに名古屋市がついに県とも対立をしてしまったことは、私は名古屋市の孤立ということを招き、本市の停滞を招く大きな一因になっていると思います。 加藤:はい、分かりました。尾形さん、いかがでしょうか。
憲法の禁ずる検閲に当たる可能性がある
尾形:尾形慶子です。よろしくお願いします。ありがとうございます。私はあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」の内容、展示についてはとやかく言うことではないと思います。もちろん河村さんがどのような思想の持ち主であろうと、また芸術的にどんなお好みをお持ちであろうと、それは自由です。しかし、市長というような立場の方が展示物の内容についてとやかく言うのは、これは検閲に当たる、憲法の禁ずる検閲に当たる可能性があります。これについては大村県知事がおっしゃいましたけれども、そのとおりです。表現の自由を守られなければなりません。 ですから、そういった県知事の態度、それをもってリコールの対象、リコールして辞めさせようということ自体、間違っていると思います。若干、展示の内容については、私は「平和の少女像」について、あれは私は好きです。戦時中に女性が性犯罪に遭ったと。これは紛れもない事実でありますし、そしてこれは日本だけではなく世界中で、そして今も紛争のある地域で女性に対する性犯罪が行われています。普遍的な問題です。これを1人の少女が静かに座っているという表現で表している「平和の少女像」、これがお気に召さないということについては、これは私と考え方が大きく違うなというふうに思いました。このリコール問題、運動、なされたことはまったく間違っているというふうに思います。 加藤:お2人ともリコール運動をすべきでなかったというお考えのようです。理由はお2人、ちょっと違うようでして、横井さんは県・市の対立を招いたと。尾形さんは検閲の疑いのある性格の運動になったということをおっしゃいました。河村さん、もうちょっとお待ちください。その上で運動が展開された結果、奇々怪々な署名偽造という問題が発生しました。この問題、どこに問題があるのか。河村さんに帰すべき責任はどうお考えになっているのか。横井さんから伺いたいと思います。