山手線内“大幅値上げ”で崩れる「中央線最強説」 他社まで揺さぶるJR東日本の運賃改定の“衝撃ポイント”
「電車特定区間」「山手線内」の値上げ率が高い
2024年12月6日にJR東日本が運賃の値上げを行うことを発表しました。実際に値上げが行われるのは2026年3月と、まだ1年以上も先のことになります。国鉄が分割民営化されJR東日本が発足してから約39年間において、初めて(消費税率の引き上げや、バリアフリー料金制度の導入を除く)となる値上げについて紐解いてみます。 【衝撃!】中央線に乗りたくなくなる「JRの値上げ幅」(画像) JR東日本が発足した1987年、日本はバブル景気の真っただ中にありました。以来約39年間、バブル崩壊やリーマンショックなどの不景気、東日本大震災などの災害があったにも関わらず、運賃値上げを行うことなく鉄道の運行を維持してきたことは、JR東日本の企業努力の賜物であったといえそうです。 今回のおもな値上げは次の4点となります。 ・「電車特定区間」「山手線内」の割安だった運賃区分を「幹線」に統合する ・普通運賃平均7.8%、通勤定期平均12.0%の値上げ ・きっぷの場合、1円単位の端数を四捨五入から切り上げに ・通勤定期の有効期限6か月の割引率の見直し 値上げする一方で、配慮された料金もあります。 ・鉄道駅バリアフリー料金を廃止する ・通学定期は改定しない(ただし「電車特定区間」「山手線内」は幹線と統合するため値上げあり) ・特急料金は値上げ対象外 値上げにより初乗り運賃は、これまで「電車特定区間」「山手線内」が146円(きっぷ150円)、「幹線」が147円(同150円)だったものが、155円(同160円)となります。 なかでも今回の衝撃ポイントと言えるのが「山手線内」の運賃の値上げ率です。
これでいいのか中央線!
「山手線内」は、これまでJR東日本でもっとも割安に設定されていたこともあり、幹線に統合されることで、普通運賃が16.4%、通勤定期にいたっては22.9%もの値上げになります。 金額にすると、東京~新宿間の運賃がこれまで208円(きっぷ210円)だったものが253円(同260円)と、ICカード利用で45円、きっぷ利用で50円もの値上げになります。同区間の1か月定期券だと6290円だったものが7840円となり、1550円の値上げです。 東京~新宿間は並行する東京メトロ丸ノ内線が209円(IC)です。中央線快速の方が5分ほど早いですが、どちらを選んでもほぼ同じ運賃でした。「山手線内」の運賃が他社との競争力をもち、それが利便性につながっていました。