筑後川夏の観光の目玉「鵜飼い」存続の危機 九州北部豪雨から7年今も川に大量の土砂 漁獲量は10分の1に
RKB毎日放送
2017年の九州北部豪雨から5日で7年となります。崩れた山の斜面からは今も砂が筑後川に流れ込んでいます。その影響もあって、筑後川名物の鵜飼いが今、存続の危機を迎えています。 【写真で見る】「鵜飼い」存続の危機 九州北部豪雨の影響も ■漁獲量は豪雨前と比べて「10分の1」に 5月20日筑後川に初夏の訪れを告げる鵜飼いが解禁されました。 去年、おととしと2年続けて大雨で中断を余儀なくされ今年は中断されずに済むのか、不安と期待が入り混じる中での解禁でした。 臼井家6代目鵜匠 臼井信郎さん「3匹、あとは小鮎ですね・・・ちょっと太りが遅いですね」 約1時間の漁で取れたのはアユやハヤなど20匹程度、2017年の九州北部豪雨の前に比べて10分の1程度の漁獲量です。 7年前の7月5日、九州北部を襲った豪雨によって大量の土砂が山から、筑後川に流れ込みました。 ■豪雨から7年 今も川に大量の土砂が流れ込む 記者江里口雄介「こちらは普段、鵜飼いが行われている筑後川の河川敷です。このように足元を見てみますと・・・きめの細かい砂が堆積しています。このような砂は川の底の方にも溜まっているとみられます」 九州北部豪雨で崩れた山の斜面から今も大量の砂が筑後川に流れ込んでいるのです。今月1日の雨でも砂が川岸に流れてきました。 鵜匠 梶原日出夫さん「1日はですね。今砂がこうありますけど、この石のところの上っ面をちゃぷちゃぷ寄せた感じで、水がきました。もうちょっとしたらこの道に上がってくるかな、という感じですね」 梶原日出夫さんは、梶原家4代目鵜匠で、49年間、鵜飼いを続けてきました。 アユが少なくなった要因の一つは砂の影響だと言います。 鵜匠 梶原日出夫さん「魚取りはやっているんですけど、あんな風に石がありますけどもその石の上に砂が溜まって、アユが住めないような、苔、餌ができなくなるために、天然アユが少ないですね」 砂の堆積によって、河床が上がったことから豪雨災害に備えて筑後川では堤防の設置が進められています。また、筑後川漁協は浚渫工事を要望しています。