筑後川夏の観光の目玉「鵜飼い」存続の危機 九州北部豪雨から7年今も川に大量の土砂 漁獲量は10分の1に
筑後川漁協組合 三原次雄組合長「もう堤防オーバーフロー寸前まで水かさが上がっているんですよ。河床を下げていただかんと、いつかは僕は大きな災害が来るんじゃないかなと思っている、心配しております」 筑後川漁協は、鵜飼いとアユ釣りという筑後川の観光名物を守ろうとアユの放流にも取り組んでいます。 筑後川漁協組合 三原次雄組合長「釣り人が少ないんですよ。そういうことでアユが少しでも釣れたらいいんじゃないかということで、一応1500キロ今年入れます」 アユの放流には、梶原さんとコンビを組む鵜匠の臼井信郎さんも立ち会っていました。 もともと3人しかいなかった鵜匠は九州北部豪雨以降の不漁のため1人が廃業し、今や梶原さんと、臼井さんの2人だけになっています。 鵜飼いは2人1組で漁を行うので梶原さんと、臼井さんのどちらかが欠けても存続できないという危機的な状況です。 鵜飼いを存続させるためにもその魅力をもっとアピールしようと臼井さんは新たな取り組みを始めました。 ■鵜飼い存続に向けて「出張」も 鵜匠 臼井信郎さん「『出張鵜飼い』ですね。水槽を積んで魚を持ってやぐらを組んでですね。原鶴以外でも鵜飼いが見られるという形で出張鵜飼いを今年から始めています」 6月にはアビスパ福岡の試合にあわせてベスト電器スタジアムの前でやぐらを組み鵜飼いの実演を行いました。 鵜匠 臼井信郎さん「やっぱりこう外に出てですね。アピールさせてもらってこういう面白い文化がありますよって。知ってもらうのが一番だなと思っています」 鵜匠 梶原日出夫さん「鵜飼いも無事にやっているんだというところをお客様みんなに感じてもらうのが一番なんでしょうけど。人材がいなくなって、自然消滅しないように、一生懸命頑張っていますけどね」 九州北部豪雨から7年。 影響は今も残っていてアユの姿が減ったことはその表れであり、鵜飼いの復活は豪雨災害からの復興の象徴でもあります。 豪雨災害に負けず、地域の伝統を無くすまいと、2人の鵜匠はかがり火を灯し続けています。
RKB毎日放送