“世界へのランウエーであり続けたい”渋谷、原宿、竹下通り―「TOGA」デザイナー古田泰子さんと「VOGUE JAPAN」ティファニー・ゴドイ編集長が語るポストコロナ、アジア台頭、SNS時代のファッションとは? 「渋谷半世紀」~若者の聖地の今~
古田さんは「ブランドが発信するメッセージやその背景に共感を覚えられるかどうかをシビアに判断して、世界各国で若者たちが洋服を買うようになっている」と語る。「でも、今の日本が発している“女性像”が世界の中で支持されるかというと少し違う。国内で求められている像が海外とは一致しなくなってしまったのではないか。強さとか独立性が感じられないのかもしれない」 エンタメの世界でも韓国の女性歌手グループは強いキャラクターを打ち出しているが、日本のグループは見せ方のベクトルが違う。自分の意思で選んだのではない、ある種の幼児性や性的なにおいを漂わせながら、大人の男性の言う通りに動いているように見える―「そんな女性像を演じることを美徳とする文化が日本にはいまだ一部あるのかも」と話す。「ファッションという視点で見た時、自分がトーガというブランドを通して、現代の女性たちのためにやりたいこととは、すごくギャップがあると感じている」
ティファニーさんは「今の日本のファッション界は派手ではなく、目立つブランドが少ない。でも近くで見ると作り方や素材は凝っている」と言う。「アートとしてではなく、日々役に立つかどうかの視点で服を作っている。ビジネスとコストパフォーマンスを考えながらクリエーションしているのが日本人らしい」「一方で、大きな考え方をするデザイナーが少なくなっている。本当にこんなに現実的でドメスティックな方法だけでいいのかとも思う。もっと派手でもいい、アーティスティックなものを作りながら、コマーシャルな面も考えた方がいいのでは?」と疑問を投げかけた。 「今はSNSを通して、世界中の日本のブランドのファンたちが、かつての日本のデザイナーの作品、日本のファッション文化が良かった時代から現在の様子までを見ている。だから、日本社会の現実の中で仕事しながらも、“いつも世界の人たちに見られている”ことを、今のデザイナーたちにもっと意識してほしいと思う」
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