“世界へのランウエーであり続けたい”渋谷、原宿、竹下通り―「TOGA」デザイナー古田泰子さんと「VOGUE JAPAN」ティファニー・ゴドイ編集長が語るポストコロナ、アジア台頭、SNS時代のファッションとは? 「渋谷半世紀」~若者の聖地の今~
ティファニー「世界中の若い子はTikTok(ティックトック)を見ながら家の中でファッションを使って遊ぶようになり、急にアジアのファッションやエンタメが台頭し、2回目のグローバリズムが始まったと思う。アジアの国々で新たな男性像、女性像、新しい文化が生まれ、そのソフトパワーが強くなった。スマートフォンなどテクノロジーのおかげもあるけれど、アジアのファッションがエンタメ力を持ってきたというのがとても大きな現象だった」 ▽国内外で女性像にギャップ ティファニーさんが言うように、韓国や中国など日本以外のアジアの国々のファッションやエンタメの勢いは近年著しく増している。 古田さんは「新しい次なる現象が出てくるのは当たり前で自然なことだが、そこには変化を求める意思が反映されている」と話す。「例えば今まではハリウッド映画でも白人と黒人の俳優は出演していた。でもアジア人は長い間、同じ土俵にも上げてもらえなかった。それが最近は、スーパーヒーロー映画『マーベル』の中にもアジア人ヒーローが出ている。不意を突かれたようにアジアのエンタメが伸びているのが面白い」
ティファニーさんは「アジアの若い世代のデザイナーたちの間では、リアルなショーとSNSでの発信の両方がアーティスティックになっている」とみる。中国のルイ・シェンタオ・チェンさんやディンユー・チャンさん、また香港出身のロバート・ワンさんら面白くて若いデザイナーたちがたくさんいるという。 「ソウルではアートとファッションが同時に盛んでその組み合わせが面白い。上海ファッションも熱くて、国がファッションウイークなどいろいろサポートし、エネルギッシュになっていると思う。イベントも盛んで、ヴォーグが中国でカンファレンスを行い、米『ヴォーグ』の有名編集長アナ・ウィンターさんも参加した。香港も再びホットスポットになってきた。アジアはファッション業界にとって大事な場所になっている」 一方、20年に高田賢三さん、22年には三宅一生さんと森英恵さんら戦後を切り開いた有名デザイナーが相次いで亡くなり、日本ファッション界はアジアの勢いとは対照的に岐路に立っているようにも見える。
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