“世界へのランウエーであり続けたい”渋谷、原宿、竹下通り―「TOGA」デザイナー古田泰子さんと「VOGUE JAPAN」ティファニー・ゴドイ編集長が語るポストコロナ、アジア台頭、SNS時代のファッションとは? 「渋谷半世紀」~若者の聖地の今~
トーガのアートディレクター、ヨップ・ヴァン・ベネコムさんがくれた「僕は女性がどれだけ優秀か知っている。一度、女性だけのチームで仕事してみたら?」というアイデアも大きかった。ヨップさんが選んだパリ、ロサンゼルスなど海外の女性フォトグラファーたちに作品を撮ってもらい、そのうちの一人のオランダ人写真家リヴ・リバーグさんが「自分の中の“女性”を意識して写真を撮る」というスタイルの作家だった。それまでの古田さんは、男性モデルに女性服を着せるなどして「“ジェンダーレス”を分かりやすく表現していた」が、この写真家とのコラボレーションをきっかけに、「フェミニン(女性的)」な要素を作品に取り入れることに抵抗がなくなったと言う。 あえて、ステレオタイプ的なリボンやレース、シャーリング、ピンク色などの素材や色を使い、それと相反するような女性らしくないデザインをぶつけてみた。「女性が抱える自己肯定と批判の共存、心身の不安定さを表現したかった」
この日、古田さんの最新ファッションに身を包んだティファニーさん。「素材だけでなくルック全体がいつもと違い、普段はもっと一点一点を作り込んでいるが、今回はもう少しシンプルでおさえた印象がある」「でも、いつも世界トップクラスのアートディレクターたちと仕事をする中で、古田さんのビジョンが変化し、新しいアイデアにインテリジェンスを持って取り組んでいるのが分かる」 コロナ禍はファッション界全体にも大きな影響を与えた。 古田「コロナ禍の最中、個人的には、パリ、ロンドン、ニューヨークというファッションウイークのルーティンからやっと休める、ゆっくり見直して考える時間ができたと感じていた」「ところがコロナ後は、皆の復活がとても速くて、ファッションの世界ががらりと変わったと思う。“服を見る”というより“エンターテインメント”に寄っていくようになった」「そこには、ポジティブ、ネガティブの両面がある。ファッションは元々ビジネスであるけれど、これほどまでにその面が強く出てきたというのは、コロナ後の特徴なのではないかとも感じている」
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