“世界へのランウエーであり続けたい”渋谷、原宿、竹下通り―「TOGA」デザイナー古田泰子さんと「VOGUE JAPAN」ティファニー・ゴドイ編集長が語るポストコロナ、アジア台頭、SNS時代のファッションとは? 「渋谷半世紀」~若者の聖地の今~
インターネットがなかった代わりに、ファッション誌が全盛の時代。女性誌「アンアン」、ストリートスナップ誌「FRUiTS」などが企画するページに載りたがる若い女性たちが、公園通りや明治通り、キャットストリートにあふれていた。 古田さんとティファニーさんの出会いは、古田さんが東京でショーを始めたばかりの2000年代初め。「まだ若くて服を作ることに夢中で、メディア露出のためのビジュアルの作り方やキャンペーンを行う知識がなかった。その方法を教えてもらえる人を探しているとき、知人にギャラリーで紹介されたのがティファニーだった」。作った服の“見せ方”についてアドバイスをもらうようになった。「こうした方がいい」と的確な意見をいつもくれる。「ティファニーだったらどう思うかな」と考えることもあったという。 ティファニーさんにとって「彼女はかっこいいことドキドキするようなことをしているデザイナーだったから、いろんな人たちを紹介してあげたいという気持ちにさせられた」「ちょうどインターネットが出てきた時代。洋服のエッセンスやブランドのカルチャーをネット上でどのように表現していくか、アーティストとどうコラボするかというプロセスが重要になっていった。そのためのビジュアルやイベントを巡って2人でよくディスカッションするようになった」。
学生時代に渋谷や原宿界隈を友人たちと歩き回っていた古田さんは、ネット時代の幕開けと共にティファニーさんはじめ、編集やビジュアル、アート、デジタルなどの一線の人たちと知り合い交流し、デザイナーとして進化を遂げていった。 ▽コロナ禍とエンタメ化の波 古田さんの最新作2024SSコレクションのテーマは、「ASSERTIVE(積極的),FEMININE(女性的),APPROACH(接近)」。 「コロナでロンドンでのコレクションの発表を中止するようになって、全てリモートでなにかを作るのも面白いなと思うようになっていた」「ランウエーでは、私が全て決めて動かさなければならない。でも、オンラインでは、アーティストやモデルにコレクションを送ってリモートで撮影するなどさまざまなことが試せるほか、尊敬する仲間たちに仕事を“ゆだねる”ことができた」。そんな経緯もあり「自分の中では今までとは違う環境に挑めてビジュアル像の幅を広げた」という。
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