洗剤を使わないコインランドリー、デジタル化で省エネや防犯対策も
■ コインランドリーを地域インフラに
――2024年8月には、人口約2300人の北海道遠別町に出店されました。利用者数も限られると思いますが、なぜ出店を決めたのですか。 高梨:遠別町にはコインランドリーがなく、住民は洗濯のために40km離れた場所まで行かなければなりませんでした。町長から相談を受け、建物の家賃と水道代を町が負担し、内装費は当社が負担する形で、道の駅「えんべつ富士見」の敷地内に出店することになりました。 完全キャッシュレス化を図りつつも、高齢者も使いやすいプリペイドカードを導入しました。プリペイドカードは近隣のコンビニや道の駅の売店でも購入可能です。 コインランドリーは、かつて地域社会のインフラでした。現在は、各家庭に洗濯機が普及していますが、布団などの大物洗濯の需要は各地にありますし、交流の拠点にもなります。遠別町で、地域インフラとしての可能性を再確認できましたので、他地域にも広げ、地域に貢献していきたいです。 ――今後の展望について教えてください。 大田:「洗剤を使わない」という差別化要因をさらに強化し、私たち自身も知識を常にブラッシュアップしながら、より大きな社会課題の解決を目指していきます。多くの方にウォッシュプラスを知っていただける機会を積極的につくり、必要な方にお届けしていきたいと考えています。 高梨:私たちにとって社会貢献は、事業に欠かせない要素です。 世界的に水問題は深刻化しています。日本は水資源に恵まれていますが、災害時には断水が発生するリスクがあります。私たちは数年前から排水レス店舗の実証実験を進めており、2026年春の本格稼働を目指しています。このシステムは、排水処理を100%再利用する循環型のものです。 排水しないということは、マイクロプラスチックの海洋流出を抑制することでもあります。日本国内のみならず、海外展開も視野に入れながら、持続可能な社会の実現に向けて、引き続き努力を重ねていきたいと思います。 ※wash-plusのコインランドリー「wash+」は、オルタナとサステナ経営協会が共催する「サステナブル★セレクション2024」の三つ星に選ばれました。次回の一つ星エントリーは、2025年1月14日まで受け付け中です。エントリーフォームはこちら⇒ https://www.alterna.co.jp/135966/