ドジャース・大谷翔平、語った「二刀流」封印の時…覚悟を持って臨む25年シーズン 2度目手術の右肘は「耐久5年」
二刀流、最終章へ-。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)が9日(日本時間10日)、日本メディアによるオンライン取材に応じ、「投打二刀流」復活に向けて胸中を激白した。自身2度目となる靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右肘について今後5年以上は負傷を繰り返さずマウンドに上がりたいと明かし、3度目の手術には消極的な考えを示した。覚悟を持って臨む来季以降も、唯一無二の道を切り開く。 【写真】デコピンを抱きかかえる大谷夫人の真美子さん 雄弁に語った。小学2年で野球を始めて以来、貫いてきた二刀流。アスリートの全盛期はそう長くないことを大谷は認識している。いつか訪れる衰えと向き合ってきたからこそ、現実的で生々しい言葉が並んだ。 「希望として(右肘の耐久が)5年以上は延びてほしい。35歳を過ぎて3回目の手術をして復帰に1年かけることが正しい選択かは、そのときのコンディションによる。2回目くらいまでが投手として理想かなと思う」 昨年9月に自身2度目となる右肘のトミー・ジョン手術を受けた。メジャー1年目の2018年に1度目の手術を受ける以前から「必ずするだろう」と想定し、2度目を受ける際も「5、6年投げてどうなるか」と先を見据えていた。100マイル(約160・9キロ)以上を計測する豪腕投手として、避けて通れない道だと自覚していたという。 若ければ回復も早く、今季のように1年以上要すリハビリ期間でもDH専念で実績を補える。だが、30代後半となる5年後以降に右肘を故障した場合、3度目の手術を受けて投手復帰を目指すかは不透明で「いろんなパターンを想定をしておくことが大事。(投打)どちらかにせざるを得ないタイミングがもし来たら、対応できる準備をしておく必要がある」と二刀流が最終章になる可能性を示唆した。 ワールドシリーズ第2戦で左肩を脱臼し、今オフに手術を受けた。リハビリの現状を「肩の可動域を広げて元に戻している。投げる方は70マイル(約112・6キロ)のキャッチボール。打撃は構えるくらい」と明かした。来季はシーズン途中の投手復帰が見込まれているが、球団主導でイニング数を制限する見込み。「なるべく早い復帰に焦点を当てたい。再発防止も兼ねて慎重にいかないといけない」と、具体的な時期は決めつけなかった。 日本ハム時代に礎を築き、1度目の手術後はエンゼルスで力を最大限に発揮。2度目の手術を受けた来季以降について「ベースとなるのは21―23年くらいの(投打)どちらも規定に近いくらいの出場。チームと相談しながらデザインしていくのが理想になる」と、22年以来となる投打ダブル規定到達を見据えた。「今まで二刀流をやってきて、長く続けたいという思いはある」と大谷。本塁打王とサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)の同時受賞など、自身にしか果たせない偉業もある。二刀流にこだわる覚悟が30分間のインタビューでにじみ出た。(横山尚杜)