「あんなことしなければ...」僧侶が説く、意味のない後悔をやめられる1つの方法
「あの時こうしていれば...」誰もがこのように後悔した経験を持っているでしょう。しかし、いつまでも悔やみ続けるのは、心の健康を損なう行為でもあります。本稿では書籍『自分という壁』より、後悔の苦しみから解放されるためのヒントを紹介します。 【心が軽くなる言葉】人間関係が良くなる8か条 ※本稿は、大愚元勝著『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)より内容を一部抜粋・編集したものです。
「後悔」は心の自傷行為
「反省はしてもいいけれど、後悔をしてはいけない。まったく意味がない」 ブッダは後悔というものを非常に厳しく諫めました。 「あのときこうしておけばよかった」「あんなことしなければよかった」という後悔は、心の傷口を自分で刺しているのに等しいこと。過去に抱いた嫌な気持ちを、わざわざ、自ら、もう一度味わっていることになるのです。同じ失敗を何度も悔やむということは、グサッ、グサッと自分をめった刺しにしているのも同然と考えましょう。 いったん気持ちが落ち着いたとしても、その1年後、2年後に再び思い出して......ということをやっていると、全身傷だらけ、トラウマまみれになってしまいます。いうなれば"心の自傷行為"であり、自分で自分を痛めつけていることになります。 後悔の念が生まれるのは仕方がないことですが、ただ悔やむのではなく、なぜそれをやってしまったか(やらなかったか)を冷静に分析して、未来につなげる糧として活かそうとする姿勢を持つことは大切です。これは後悔ではなく「反省」であり、ブッダも推奨しています。 あえて後悔を楽しむのであれば、それもありでしょう。 「あのときは俺もガキだったなぁ。なんであんなことをしたんだろう。若気の至りって怖いなぁ」 こんなふうに自分のなかで、あるいは他人に対して笑い話にできるのであれば、自分の感情や過去の言動を客観的に見つめられているということです。いわゆる"黒歴史"を明るい話題に変えることができているのなら、思い出したときに心に傷を負うことはありません。 要は、過去に起こった出来事をどうとらえるか。どのように考え、自分のなかでいかに処理していくかが重要ということです。