スカイラインに赤バッヂ復活でオジサン感涙?回顧主義に走っている日産だが…これだけは言わせて!
その後のR32スカイラインGT-R時代も、全日本ツーリングカー選手権において1990~1993年の4年間で29連勝、R33、R34の時代にも幾度も勝利を積み重ね、大活躍を続けてきました。
レースシーンで勝ってこその赤GTバッヂであったはずなのに、レースに出てすらいないV37スカイラインが掲げるのはいかがなものかと(正確には、国内ドリフトにV37型のインフィニティQ60が出ていますが)、背景を知るファンは思うのでしょう。赤GTバッヂや400Rを、V37スカイラインがつけるのは面白くない、というのも分かる気がします。
■次の世代にスカイラインを引き継ぐことのほうが大事!!
ただ、「スカイライン」というモデルの本質は、レースで活躍するということにあるのではなく、「ロングドライブが、楽しく安全にできること」にあると筆者は思っています。たしかに、スカイラインNISMOは、NISMOが持てる技術を投入してつくり上げたレーシングカーに近い存在ではありますが、スカイラインはスカイラインです。
日産には、日産にはフェアレディZやGT-Rという名門のスポーツカーが2モデルもあります。レースシーンはこれらに任せ、スカイラインは、ロングドライブを楽しむクルマとして、最新のアイテムや制御アイテムを搭載して、時代の水準に合わせた性能を確保していくことこそが、求められることではないでしょうか。
「400R」や「GT赤バッヂ」については、批判するファンの方々の気持ちもわかりますが、日産としても、安売りしているわけではないと思います。別のモデルにつけられているのなら話は別ですが、スカイラインにつけられているのなら、その歴史を思い出させてくれるこれらのアイテムを身に着けていることは、こうした批判に遭いながらもその歴史を背負っていく、という日産の「スカイラインは諦めない」という覚悟の表れのようにも感じます。 確かに(ビジネス的に)やり方が気に入らない、というのも分からなくないですが、こうして次の世代にスカイラインを引き継いでいくことのほうが大事であるはず、と筆者は考えますが、どうでしょうか。 Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production Photo:NISSAN Edit:Takashi Ogiyama