広島・アドゥワ 8・6「特別な日」にプロ初完封 新井監督絶賛「本当にもう、最高のピッチング」
「巨人0-5広島」(6日、東京ドーム) 最後のアウトを奪った瞬間も、広島・アドゥワ誠投手(25)の表情は変わらなかった。プロ8年目、通算100試合目という登板で初の完封勝利。ヒーローインタビューでは自らの活躍ではなく「広島にとって特別な日」と話したように、8月6日にチームが勝利したことに目を向けた。 【写真】前田健太「僕にとっては大切な1日」 原爆の日に米国から祈り捧げる ファンは「広島を忘れないでくれてありがとう」 序盤から低めを丁寧に突き、五回1死まで無安打投球。六回は1死満塁を無失点で脱するなど、粘りも見せた。直球と変化球をストライクゾーンにちりばめ「それが一番なのかもしれない」と振り返ったように、110キロ台前後のカーブを有効活用した。 この日の球数133球はプロ入り最多。9回3安打無失点での完封に「まさか自分ができるとは」と謙虚に語ったが、9連戦初戦を託した新井監督は「本当にもう、最高のピッチングだった」と絶賛した。 いつもポーカーフェースのアドゥワ。その理由は「自分にあまり期待していないから」で、9回を投げ切っても「1勝は1勝なので」と過度な感情表現はない。地に足を付け、常に自身を客観視できることが強みなのかもしれない。 20年から3年間は1軍登板がなかった。同年10月には右肘手術。さまざまな経験があったからこそ「自分一人では、ここまで来られなかったと思う」と実感を込める。そして「まわりに感謝しながらこれからも投げたい」と誓いを新たにした。18年の自己最多6勝にも並んだ男が、これからも役割を全うしていく。