なぜ織田記念での男子100mは“低調”に終わったのか…小池が10秒49でVもライバル欠場…復活ストーリーの行方は?
今季は個人種目でオレゴン世界選手権(7月15~24日)の「ファイナル」を目指すという小池。その代表選考を兼ねる日本選手権(6月9~12日・ヤンマースタジアム長居)は100mと200mに出場予定で、両種目で出場権を勝ち取り、そのときの状態を見極めて、オレゴンでは種目を絞って世界に切り込んでいきたい考えだ。 しかし、小池だけでなく、日本人スプリンターは現時点で誰も世界選手権の参加標準記録(10秒05)を突破していない。期限内の5レース平均スコアで算出されるワールドランキング(4月26日発表時点)では桐生が34位、山縣が36位、多田が43位、小池が74位。男子100mのターゲットナンバー(出場できる人数)は48なので、世界選手権の出場を狙える位置につけているとはいえ、参加標準記録をクリアできない状況ではラウンドを勝ち抜くのは難しいだろう。 なお男子100m前日本記録保持者のサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)は3月に米国・マイアミのハリケーン招待100mで10秒15(+0.4)をマーク。昨年は左ハムストリングスを痛めた影響などで100mの五輪代表を逃したが、今季はまずまずのスタートを切っている。 5月8日のセイコーゴールデングランプリ(国立競技場)は桐生、小池、多田、ブルーノがエントリーされているが、どこまでタイムを上げることができるのか。東京五輪は男子100mに出場した3人全員(山縣、多田、小池)が予選ラウンドで姿を消した。しかし、ニッポンは4×100mリレーで何度もメダルを獲得してきた。再び、世界大会で日の丸を掲げることができるのか。惨敗からの“復活ストーリー”を期待せずにはいられない。 (文責・酒井政人/スポーツライター)