野菜高騰は収束見通せず、年始もまだ続く…農水省も嘆く異常気象と品薄による「負の連鎖」
いつまで経っても野菜が高いままだ。 農水省によると、今月5日時点の「東京都中央卸売市場における指定野菜の価格動向」では、大根、ニンジン、ネギなど14の野菜のうち、13種が平年を上回る価格で推移している。 【写真】カレーライス物価「370円」超えに庶民は悲鳴 特に、白菜は平年比235%、キャベツはなんと平年比392%もの高騰だ。本紙記者がきのう、都内某所のスーパーを訪れると、半分にカットされたキャベツが税込み250円で売られていた。1玉に換算すると500円。平年の1玉150円程度からすると、3倍以上の値段だ。 野菜が軒並み値上がりし続けている異常事態。原因について農水省農産局園芸作物課に聞いてみた。 「昨年は夏の猛暑、秋の高温、12月の低温と、天候不順が続きました。その悪影響が連鎖してしまい、全体的に野菜が高騰しています。特に昨夏は『史上最も暑い』とされるなど、異常気象が相次いだ。こうしたダメージからなかなか回復できていないのが現状です」 高騰がいつ収まるかの見通しも立たない。 「ある野菜が品薄だと、他の似た野菜を買う人が増え、つられて高騰してしまう。そのため、流通量が回復してもすぐに価格が下がるわけではありません。こうした要因もあり、いつ価格が落ち着くかの予測が難しい。天候次第では当然、春先も高騰が続く可能性はあります」(園芸作物課) 一方で、徐々に価格が落ち着いてきた野菜もある。 「トマト、ピーマン、キュウリなど、植物の実の部分にあたる果菜類は、昨夏の影響を脱しつつあり、価格が下がってきています。特にキュウリは、平年比97%まで回復。そもそも果菜類は他の野菜を代わりに買うということがあまりなく、葉物野菜などと異なり高騰の連鎖が起こりづらいのです。キュウリ以外も早ければ今月中には価格が落ち着いてくるかもしれません」(園芸作物課) 鍋が恋しい季節に夏野菜の方が買いやすくなるとは、何とも妙な話だ。