酒税改正が追い風に…ビール大手の1―6月期、全社増収の要因
ビール・飲料大手4社の2024年1―6月期連結決算(国際会計基準)が13日までに出そろい、全社で増収となった。酒税改正による減税が追い風となり、価格改定の浸透や円安による為替効果も加わって酒類事業が好調だった。24年12月期通期業績予想の売上高はアサヒグループホールディングス(GHD)とキリンホールディングス(HD)が上方修正し、他の2社は期初の見通しを据え置いた。 【一覧表】ビール・飲料4社の決算詳細 サッポロホールディングス(HD)は「黒ラベル」の缶が中心となり、ビール事業が好調を維持した。ビールへの販促投資が増加したが、収益性の高さから限界利益率が改善。発泡酒に対し、酒税法改正で減税となったビールの構成比を拡大しており、酒類事業の好調をけん引している。全社の営業損益は76億円の黒字(前年同期は28億円の赤字)となった。尾賀真城社長は国内のビールシェア拡大に向け「『黒ラベル』が力を発揮している。26年の最後の減税タイミング以降もできることを積み上げる」と意気込んだ。 キリンHDの南方健志社長は「ビールの『晴れ風』が4月の発売以降、毎月計画を上回って伸長した」と述べた。人口減などで市場環境の大きな好転は望めない中、長期的に支持されるビールブランドへの投資を強化する。サントリーホールディングス(HD)の宮永暢常務執行役員も「『サントリー生ビール』の瓶とたるを発売したことで、前年同期比30%増と伸びた」と好調さを強調した。