「アクセル踏む施策をしっかり」 観光資源利用、子育て応援条例も 相模原市・本村市長
相模原市の本村賢太郎市長が産経新聞のインタビューに応じた。中山間地域を観光資源などとして利用する方針を強調。リニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)が設置される橋本地区の開発については「田舎過ぎず、都会過ぎない街にいかに持っていくか」と力を込めた。また、若い世代を支えるため、子育て応援条例を制定することを明らかにした。(聞き手 橋本謙太郎) ■農業支援に注力 --4月で2期目の任期も折り返しとなる 「昨年は市制70周年という節目を迎え、今年は80周年に向かって第一歩を踏み出すとき。前例踏襲型の姿勢でなく、チャレンジする相模原に変えていく。そうすることで、市民や職員もわくわくする相模原をつくっていけると思う。(2期目の)ここまでは行財政構造改革を行い、市民に負担のある施策も進めてきた。残りの2年は都市経営戦略を策定し、アクセルを踏む施策をしっかり打っていきたい」 --相模原市の一つの特徴として中山間地域の存在がある。いかに生かすのか 「中山間地域に関してはある意味、うちの強み、誇りの一つだと思う。湖が5つあって、県の水源地域として6割の水を供給している。観光や商業に生かしたい」 --道の駅整備構想については 「今年度と来年度で調査をする。津久井湖周辺、相模湖周辺、宮ケ瀬湖周辺など、いくつか候補が出てきている。今年は(道の駅整備を)やれるかどうかも含め、どこにするか検討していきたい」 --課題は 「耕作放棄地も多いので、農業支援をしっかりやりたい。令和8年12月からは中学校の全員給食も始まる。地場産の野菜を食べてもらうためにも、もっと農地を増やさなくてはいけない。道の駅を開業すれば、需要はありそうなので、供給が多分足りなくなる。そういった点も見据え、耕作放棄地を減らすようにしていきたい」 ■返還地の利用計画 --都市部では、リニア新駅が設置される橋本地区の開発に注目が集まる 「神奈川唯一の駅になるし、橋本を拠点に1時間以内に車で移動できる距離に985万人が住む圏域がある。このチャンスを生かし、首都圏南西部の広域交流拠点として発展を遂げなくてはいけない。独り勝ちしようとは思っていないので、周辺の自治体とも連携し、この地域にお客さんが呼び込める、訪れたくなる街をつくっていきたい。開業までに相模原の魅力を知ってもらう必要がある。田舎過ぎず、都会過ぎない街にいかに持っていくかを考えている」