WBC5連勝の侍ジャパンにまだ残る最悪のシナリオ
侍ジャパンは14日、キューバとの激しいシーソーゲームを8-5で制して5連勝、アメリカの決勝ラウンド進出へ王手をかけた。今日15日の12時試合開始のキューバ対オランダ戦で、オランダが負ければ、その時点で日本の決勝ラウンド進出が決定。オランダが勝ったとしても、午後7時試合開始のイスラエル戦に勝てば、2次ラウンド唯一の3連勝で日本の2次ラウンド1位通過が決定する。しかし、まだ「最悪のシナリオ」が残っていることを忘れてはならない。 もしオランダがキューバに勝ち、日本がイスラエルに負けた場合、日本、オランダ、イスラエルの3チームが2勝1敗で並んでしまうのだ。その場合、まずは当該チーム間の「失点率」で争うことになる。 失点率とは、失点を守備イニングで割った数字。 現時点で、3チームの当該チームに対する失点率は、日本が対オランダに11回6失点「0.545」。オランダが、対日本に11回8失点、対イスラエルに8回2失点で、計19回10失点「0.526」。イスラエルは、対オランダに8回12失点で「1.5」となっている。 日本が、オランダの「0.526」を下回るためには、イスラエルに敗れたとしても、9回4失点以下に抑えなければならない。9回5点以上をイスラエルに取られて負けるとオランダが1位通過となり、日本はイスラエルと16日にプレーオフを戦わねばならなくなる。 計算の難解な失点率は、過去のWBCにおいてドラマを引き起こす原因となっている。王ジャパンが優勝した2006年の第1回大会では、2次ラウンドのプール1で、日本は1勝2敗に終わったが、アメリカがメキシコに1-2で敗れたことで、3勝の韓国以外の3チームが1勝2敗で並ぶことになり、この失点率ルールで、日本が奇跡的に準決勝へ勝ち上がった。 今大会の1次ラウンドプールDでも、イタリア、メキシコ、ベネズエラの3チームが1勝2敗で並んだ。この場合、最も失点率の悪いチームが脱落、残り2チームでプレーオフを行うのだが、当初、ベネズエラが最下位とされていた。しかしサヨナラ負けしたイニングに1アウトもとれていなかったことから、守備イニングが9ではなく8イニングとなり、計算がやりなおされた結果、メキシコが最下位となり、ベネズエラがプレーオフに進出することになったのである。