富士通 鮮やか逆転劇で17年ぶりV 21得点MVPの宮沢「この優勝はチームの自信になる」
◇バスケットボール女子皇后杯全日本選手権ファイナルラウンド最終日 富士通65―55アイシン(2024年12月15日 東京・代々木第2体育館) 1786人の観衆を集めて決勝が行われ、富士通がアイシンに65―55で勝利し、17年ぶり4度目の優勝を果たした。宮沢夕貴(31)が21得点、11リバウンドの活躍でMVPを獲得。第4Q途中までリードを許す展開だったが、終盤に逆転した。アイシンは今季から加入した渡嘉敷来夢(33)が21得点と奮闘。初めて決勝に駒を進めたが、頂点には届かなかった。 鮮やかな逆転劇だった。富士通は序盤からリードを許し、第3Q途中で最大12点ビハインド。今季Wリーグで4戦全勝の相手に苦戦を強いられた。我慢の展開が続いたが、48―53で迎えた第4Q残り7分3秒から圧巻の17連続得点。残り3分18秒で逆転し、一気に突き放した。加入2年目の宮沢はENEOS時代を含めて4度目のMVP獲得。「前半はバタバタしたが、守備で我慢しようと言い続けていた。この優勝はチームの自信になる」と胸を張った。 前半は相手エースの渡嘉敷に自由にプレーされて15得点を許したが、後半はインサイドに選手を配置することで修正した。今大会は得点源の林をケガで欠く中、準決勝では昨季覇者のデンソーを撃破。昨季16年ぶりに優勝したWリーグは今季も首位を走り、常勝軍団への土台を築きつつある。テーブス監督は「今大会は我慢の時間が長かったが、選手がゲームプランを信じてくれた。この経験はリーグの後半にも生きる」と手応えを強調した。 ≪加入1年目の渡嘉敷が奮闘も≫加入1年目のアイシン・渡嘉敷が21得点、10リバウンド、3アシストと奮闘した。準決勝後にSNS上の「(もう一つの準決勝)富士通―デンソーが事実上の決勝」との書き込みを見て「なめんなよ!」と奮起。今季Wリーグで5勝11敗に低迷するチームを引っ張った。昨季まで所属したENEOS時代を含め、15年連続の決勝の舞台。11連覇を逃した昨年大会の銀メダルは部屋に飾っていないが「今回は第2章の始まりのメダル。しっかりと飾りたい」と語った。