高木美帆3冠、1000も制し「実りある3日間だった」…全日本スケート
スピードスケート・全日本選手権最終日(15日・青森YSアリーナ八戸)――女子1000メートルは高木美帆(TOKIOインカラミ)がリンク新記録の1分14秒17で勝ち、1500メートル、500メートルとの3冠を果たした。女子5000メートルは堀川桃香(富士急)が優勝。男子1000メートルは新濱立也(高崎健康福祉大職)が1分8秒80で制し、小島良太(エムウェーブ)が1000分の2秒差で2位に入った。男子1万メートルは土屋陸(白銅)が1位だった。 【写真】2026年ミラノ五輪への挑戦を明言した高木美保
ゴールすると、高木は右手を高く掲げた。大会前に「自分を超える挑戦をしたい」と話していただけに、リンクレコードを塗り替えた1000メートルのレースには意味がある。「ここで何回か滑ってきた中、しっかり過去の自分を超えられた喜び」は自然としぐさになって表れた。
スタート直後からスピードに乗っていた。「きょうは攻めるべきだと感じながら滑れた」と語る力強いスケーティングで、最初の200メートルと次の1周のラップは目標の範囲内。終盤の滑りには改善の余地が残るが、1000メートルでは今季ベストの記録だった。
ここまでいかにスピードを作るかを課題としてきたが、前日の500メートルでは37秒台という上々の記録を出し、この日の加速も「やろうとしたことを遂行できた」という内容。日々の試行錯誤の成果が徐々に実ってきたのだろう。「次はスピードをどこまで維持できるかにフォーカスを当てていく」。新たな課題を口にできるのも着実にステップアップしている証拠だ。
「道しるべというか、この方向で進んでいけばいいのかなと感じられた。実りある3日間だった」。年内最後のレースで得た手応えを胸に、2025年へと向かう。(森井智史)
男子1000メートルの新濱は200メートルの通過は16秒28とまずまずだったが、その後にバランスを崩してスピードに乗れなかった。タイムは伸びず、2位・小島とは1000分の2秒という僅差。薄氷の勝利に「このタイムは全く世界で通用しない。1分7秒台を狙っていかないと。低レベルな争いをしてしまった」と悔しがった。今季W杯は500メートルで表彰台に上がっているが、1000メートルは12位、7位とメダルが遠い。「今は500メートルより1000メートルが緊張する。500メートルが安定しているからこそ1000メートルでも結果を残したい」と語った。
「チャレンジをしたい」と女子5000メートルに臨んだ堀川。しかし、思い描いた積極的に攻めるレースは序盤だけにとどまり、後半は失速を抑えきれなかった。2位とは大差の圧勝とはいえ、前日の3000メートルと同じ課題が露呈し、「フォームがどんどん高くなってしまっていた。1歩の伸びが少なく、(体が)浮いている分、氷を押せていない。そこを改善しないと」と反省していた。