70歳、大人気のボードゲームカフェへ。脳を酷使するかと思いきや…『はぁっていうゲーム』で盛り上がり。孫と遊べて認知症予防にも
若者を中心に、日本で年々着実に人気を広げている「ボードゲーム」。新作が次々と発売され、TVやYouTubeなどで取り上げられ話題に。電源不要で価格もお手頃。年末年始、子どもや孫と一緒に遊ぶきっかけや、脳トレにもなる「ボードゲーム」の魅力に迫ります。 【写真】まるで絵本の図書館。棚に並ぶ約700のボードゲーム * * * * * * * ◆現代のボードゲーム事情 編集部から、今若者に人気のボードゲーム体験企画をもちかけられた。既に世界では人気が高く、年間1000タイトルもの新作が開発されているそう。市場規模も今後さらに大きくなる予想があるとか。 「すごいなあ」と感じてから10秒ほど遅れて気がついた。「ボードゲームっていったいなんなのだ?」と。最近、理解力や判断力の衰えを感じ、シニアとしての道を着々と歩んでいる70歳の私である。 すぐにインターネットで検索し、YouTubeも見て分かってきた。ボードゲームは、テレビ、パソコン、スマホの画面が必要なく、電源不要のアナログゲームなのだ。 アナログゲームと知って、小学生の頃を思い出した。週末のたびに母の実家に行き、祖母と叔父たちとトランプ、双六だけでなく、昭和当時の人気のゲームをした。大人たちは、私が小学生だからと手抜きをしてくれるわけでもなく、勝たせてはくれない。容赦なく負かす。「おばあちゃん、孫を相手に本気を出さないでよ」と母が注意するほどだった。私はゲームの世界の厳しさを心に刻んだ。 昭和的なゲームが、頭脳を酷使するゲームに大変化と大進化を遂げたのかもしれない。面白そうではないか。頭脳に刺激を与えるために、ボードゲームに挑戦してみることにした。 ボードゲームは、年齢を問わずに、家族、親戚、友人とも楽しめるようだ。クリスマス、お正月、年末年始の人が集まる時がゲームをするチャンス。急いでボードゲームの正体を知る必要があると感じた。
◆正体を知るため「JELLY JELLY CAFE」へ 目指したのは、世界中のボードゲームを遊びつくせるカフェとして知られる「JELLY JELLY CAFE」(ジェリージェリーカフェ)の池袋2号店。エレベーターのドアが開くと、絵本の図書館という雰囲気の広々とした店舗が広がっていた。絵本と思ったのは棚に並ぶ約700のボードゲーム。棚もゲームをするテーブルも無垢の木材というのが安らぐ。飲み物とゲームがパック料金。食べ物の持ち込みは自由だ。 ボードゲームに挑戦する前に、その人気上昇の謎を解かなければならない。 国内に14店舗のJELLY JELLY CAFEを展開する株式会社ピチカートデザインの白坂翔代表取締役と池袋2号店の仙名鷹也店長を、質問攻めにすることにした。 白坂代表は1984年生まれ。テレビゲームにひたりながらも、紙を使ったアナログのボードゲームに魅力を感じ、より多くの人に広めようと決意。防衛大学の学生からホストに転身して事業資金を稼いだ異色の経歴の持ち主だ。2011年にJELLY JELLY CAFEの1号店である渋谷本店をオープン。常にボードゲームの面白さと可能性を追求し、ボードゲームの盛んなドイツにも出かける。この業界をリードしてきた人物の1人。 「海外ではボードゲームが生活に根付いていて、ゲームを買って、家庭で楽しんでいます。ところが、日本は2010年代からボードゲーム・カフェが拡大するという独自の進化を遂げている。友人たちを自宅に呼んでゲームをするには部屋が狭いなど住宅事情もあってか、カフェに集まる方が多いようです。カラオケのように、みんなで楽しめる場の一つとして親しまれています」と、白坂代表は言う。 もちろん日本でもボードゲームを購入し、家族や友人たちと家で楽しむ人も多い。ゲームをするよりもゲームの箱の絵柄が面白く、タイトルもユニークなので、様々なボートゲームを集めて自宅に飾るマニアもいるそうだ。