年金から天引きされるお金とは?知っておきたい《年金の盲点》を解説!
《年金の盲点》老齢年金にも”天引き”があった
給料明細を現役世代は毎月受け取っているでしょう。そこには、いわゆる「額面」と「手取り」の金額が記載されています。 「手取り」とは、額面から税金や社会保険料を差し引いた金額のことです。 これと同様に、老後の年金からも天引きされるお金があることをご存じですか。 これらの天引きされるお金は、日本年金機構や各自治体から送付される書類中では「特別徴収」と記載されています。 それらの税や社会保険について、ひとつひとつ確認していきましょう。 ●個人住民税 住所がある自治体に納める税金です。前年中の所得に対して課税されます。 一定の条件を満たす場合、住民税は年金からの天引き(特別徴収)で納付します。 住民税非課税となる場合、支払い義務はありません。 ●森林環境税 2024年度から課税された新しい税金で、個人住民税に上乗せして年間1000円が徴収されます。 ●所得税および復興特別所得税 年金は所得税の課税対象となる「雑所得」です。 そのため、所得税と復興特別所得税も課税されます。 ●介護保険料 介護保険料は、64歳までは健康保険と合算で納付していました。 しかし、65歳以降は単体で支払い、年金支給額が18万円以上(年額)の場合、介護保険料は年金からの天引きとなります。 注意が必要なのは、要介護認定を受けて介護サービスの利用を開始した後も、介護保険料の納付は生涯続く点です。 ●健康保険料 国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も、原則年金からの天引きで納めます。 このように、各種税や社会保険料が、老後の年金からも天引きされるため、一般的には「額面」と実際の振込額に差が出てくるのです。
10月振込分から「年金の手取り」が変わる人も
年金から天引きされる税金や社会保険料の多くは、10月に正式に決定されます。これは、6月に確定した前年度の所得をもとに、1年度分の金額が決められるためです。 具体的には、8月までの納付分は「仮徴収」と呼ばれ、前年の2月と同じ金額が年金から天引きされます。 そして、10月以降の納付分は「本徴収」となり、正式に決定された金額が適用されます。ただし、自治体によっては8月から本徴収を開始する場合もあります。 このように、年金からの天引き額は年度の途中で調整されることがあるため、注意が必要です。