4月4日から清々しい春の風が吹く『清明』。心地良い雰囲気のこの時期に睡眠や胃腸系のトラブルが起こりやすい!?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「清明(4/4~4/18頃)」です。 【イラスト】胃の調子をととのえる作用がある旬の食材は… * * * * * * * ◆清明(せいめい) 4/4~4/18頃 清々しい春の風が吹き、天地が明るい空気に満ちて、草花がいっせいに芽吹くとき。 万物の躍動とともに、どこかモヤモヤとしていたこころが、その字の通り、明るく晴れわたるように感じられる頃です。 イースターやタケノコ狩りなどのイベントがある清明の時期は、引き続きのびのびと過ごすことを意識し、春の五臓(注)の「肝」がうまく働くようにしましょう。 陽気を高めて発散させ、気血(きけつ)をめぐらせることが養生のポイントです。 (注)中医学の考えで、「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたります。
◆中医学的 清明の暮らしかた ・心と身体の状態 清明という言葉の通り、清々しい空と同じく、清々しいこころで新年度を迎えたいものです。 春は、五行(注)の「木」にあたりますが、肝は“樹木”のようにのびのびした環境を好みます。 新緑が美しく、草花が芽吹き、心地良い風が吹く――。 肝の調子が良い人は、その心地良い雰囲気に乗って活動的になり、ウキウキ、ワクワクする気持ちが湧いてきますので、ぜひ、その気持ちにしたがって行動してください。 一方で、春はシーズンを通して気持ちが不安定になる傾向があるのですが、環境の変化がともなうこの時期はなおさらかもしれません。 (注)中医学の考えで、「木・火・土・金・水」という5種類の構成要素のこと。互いの性質を助け合ったり制約し合ったりして、バランスを保っています。 ・起こりやすい不調 春の陽気が高まることで興奮しやすい清明の時期は、睡眠や胃腸系のトラブルが起こりやすくなります。 よく眠れない・お腹がすっきりしないといった症状に悩まされている人が多いかもしれません。 また、4月に入り、多かれ少なかれ環境の変化もあることでしょう。 そのことから、イライラ・落ち込み・無気力・怒りっぽいといった、気がスムーズにめぐらない「気滞(きたい)」と呼ばれる状態によって引き起こされる、メンタル面のアップダウンの激しさに悩まされる人も多い時期です。