ノルマのためって本当? 元白バイ警官が交通違反取り締まりの実際を語る
交通ルールは守るべきものとは言え、威圧感を与えるような口調やわざわざ物陰に隠れたり等、警察の取り締まりには理不尽なものを感じるときもある。そのためか、交通違反の取り締まりは警察官の実績作りや反則金目当て何じゃないのか? といった邪推も世に溢れているのも事実。そんなウワサの真相を元白バイ警官の宅島奈津子さんが語る。 【この記事の写真をまとめて見る】元白バイ警官が交通違反取り締まりの実際を語る
取り締まりノルマはあるようでない!?
交通取り締まりを行っている警察官に対してノルマがあるのかどうかっていう疑問がよく挙げられますが…、結論から言うとある! と言えるかもしれません。ただ厳密にはノルマって言わないのかなって個人的には思っています。というのも、今日は何件検挙してこいとか、いつまでに何人捕まえてこいとか、そういったことではないのです。 そもそも警察という組織は、交通違反だけではなくすべてにおいて目標数値というものが設定されていて、数字で管理されています。検挙率を上げるためだけではなく、事件の発生件数を抑えるためのノルマであったりもするので、必ずしも警察官自身の成績のために、というわけではないということを知っておいていただきたいところです。 そのため、やはり数字で管理しないといけないってことで、ノルマ的な数値が言い渡されるというか与えられるのです。それでも一般の運転手からすると、理不尽だと感じる取り締まりのやり方だったり、上から目線の警察官の態度などからノルマのためだろと感じられてしまうのは、取り締まり側だった私でもよくわかります。 そういったことが原因で、ノルマ説が浮上してしまうのも無理がない話ですね。なかには自分の個人的な実績のために検挙件数を増やしたいという警察官がいるのも事実ではあります。 というのも私自身、白バイ隊員になったばかりの頃、そういうタイプの先輩と勤務をともにしていました。入りたてで指導してもらう立場にある私には、逆らったり意見したり反対するという選択肢がなく、ただただついていくだけの身分。 ひたすら違反者を探す、という交通取り締まりのスタンスが本当はすごく嫌でした。ただその先輩のおかげで、検挙件数が高く成績優秀賞をもらったりすることも多々ありました。でも手放しに喜べないというか、本心では嬉しくないというか、そんな複雑な気持ちでした。