4月4日から清々しい春の風が吹く『清明』。心地良い雰囲気のこの時期に睡眠や胃腸系のトラブルが起こりやすい!?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
◆養生 清明の養生キーワードは「昇陽発散(しょうようはっさん)」「疏肝理気(そかんりき)」。陽気を高めて発散させることで気血のめぐりを良くし、春に高ぶる肝の働きをスムーズにするといった意味です。 陽気を補うには、冬の間、足りていなかった太陽の光をしっかりと浴びる“日光浴”を意識的に行いましょう。 そして、太陽から得た陽気を発散させ、めぐらせるには、適度な運動で軽く汗を流したり、カラオケなどで大きな声を出したり、生姜やニラなどの“辛味”を少し摂るのも効果的。 とはいえ、余裕のない人は、まずは新しい環境に慣れるためにも、こころと身体をしっかりほぐしてあげることから始めると良いかもしれません。 お風呂上がりなどにストレッチをして筋肉をゆるめ、気血がめぐるためのスペースを作ってあげましょう。 ゆったりとした深呼吸も、縮こまった心身をほぐしてくれるはずですよ。 古典によると、春はとにかく“のびのびと過ごす”ことが大切。 ストレッチや散歩をして、“のびのび&ゆるゆる”過ごしましょう!
◆中医学的 清明の旬のもの ・旬の食材1 グレープフルーツ 国産のグレープフルーツは4~5月が旬。その後、夏にかけて輸入品が出回り始めます。 グレープフルーツは、熱を冷まし、「行気(こうき)」「和胃(わい)」、つまり気のめぐりを良くして胃の調子をととのえる作用や解毒の力があります。春に高ぶる肝を穏やかにしてくれますので、胃もたれ・食欲不振・二日酔い対策に、そして、ストレス対策にも。 冷やす力が強いので、のぼせ・火照りがある人やイライラしやすい人にもおすすめです。逆に、冷え性の人は冷やしすぎてしまうので、避けるようにしてください。 ・旬の食材2 パクチー 陽気の発散には、辛味のあるパクチーがおすすめ。 家庭でエスニック料理はハードルが高いと思うかもしれませんが、意外なところで、和風の炊き込みご飯とも相性がいいんです。 生姜と昆布、醤油で味つけしてご飯を炊き、パクチーを適度に混ぜ加えると、香りと辛味が陽気の発散を促してくれますよ。 身体を温める食材と冷ます食材のバランスが取れ、かたよりがなくなるので身体への負担が少なくなります。 ・旬の食材3 サワラ 「魚」に「春」と書き、春の季語でもある鰆(さわら)。「峻補(しゅんほ)」といって、補う力がとても強いことから、薬膳でもよくおすすめされる食材です。 似た言葉の「補気(ほき)」は、徐々に気を補って元気にしてくれるという意味ですが、「峻補」の場合は、病気の後や産後の弱った身体も回復してくれるほど、とにかく補う力が強いことが特徴です。 ※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
櫻井大典,土居香桜里