ジョギング中に後ろから泣き声、トンネルで振り向くと… 迷子の男児、夫婦で保護 新温泉
兵庫県新温泉町芦屋のトンネル内で泣いていた男児(4)を発見し、警察に引き渡したとして、県警美方署は、同町の会社員谷田剛章(たかゆき)さん(42)と妻祐子さん(39)にのじぎく賞を伝達した。(丸山桃奈) 【写真】六甲山中で倒れていた少女2人保護 「だめかもしれない」体さすり続ける 9月18日午後7時ごろ、ジョギング中でトンネル内にいた剛章さん。後ろから甲高い声が聞こえた。「誰か来たな」と思ったが、二つ目のトンネルの中間に差しかかると、同じ声がまた聞こえてきた。「これは子どもが泣いとる声だ」。後ろを振り返ると、見えたのは小さな男の子だった。 トンネル内では車が通ると、大きな音が響く。引き返して、同伴の親がいれば男児に「怖くないで」と声をかけようと思った。男児と対面したが、周囲に保護者は見当たらず、号泣していた。「お父さんか、お母さんは? 後ろにおる?」と聞くと、「ママいない」と、しがみついてきた。「怖かったな、怖かったな。一緒に捜そうか」となだめた。 男児を保護してトンネルを抜けて歩くと、辺りは暗く、大雨が降り出したため、祐子さんに車で迎えに来てくれるよう依頼。近くの交番に行き、男児を引き渡した。 同署によると、男児が同日午後6時過ぎに自宅からいなくなったと、保護者から同45分に通報があり、署が捜していた。男児の自宅から保護したトンネルまで1~2キロ。道中は何本もの分かれ道があり、剛章さんは「家の人も、よう見つけれんかったと思う。無事故で家に帰れてよかった」と話した。 通報から早期での発見となり、鯉田茂樹署長は「事件事故が起きてもおかしくなかった。すぐに連れてきてくれて非常にほっとした」と感謝を述べた。