なぜ一流ビジネスパーソンほど多趣味なのか? 成果を出す人の休日の過ごし方
「締め切り効果」で仕事が効率的に
弊社が日本のビジネスパーソンに実施したアンケート調査によって、仕事で数多くの成果を上げている優秀な人は、有給休暇の消化率が20%以上も高く、複数の趣味を持っていることが明らかになっています。 仕事ができる人に共通する特徴は、「週末にテニスをしたいから、効率的に仕事を進める」とか、「海外にフィッシングに行きたいから、1週間の休暇を取るために仕事のスケジュールを前倒しで回す」など、趣味を楽しむために仕事のスケジュールを逆算して考えて、業務効率を高めていることです。 「休めそうなら休む」とか、「暇になったら休む」と考えてしまうと、いつまで経っても休みが取れず、趣味を楽しむこともできません。 彼らは、先に休む日を決めて、それに向かって計画的に仕事を進めることで「締め切り効果」をフル活用しているのです。 締め切り効果とは、期限を設定することで集中力が働き、効率的に作業を進めることができる......という心理現象を指します。 決められた期限に間に合わせるのではなく、自分の楽しみのために設定した自分だけの期限を守るために仕事をする......という思いがモチベーションのアップにつながるなど、仕事のできる人たちは自分の趣味を上手に使って、仕事の生産性を高めているのです。
趣味を楽しむことで「自己効力感」を高める
休日とは、他人から評価されることのない自分軸の時間です。 自分が主役の時間を自分がコントロールして、自分が選んだことをやっている......という感覚が、生きがいや働きがいに大きく影響します。 主体的に時間を使うことを、私は「時間自律性」と呼んでいます。 クライアント企業の社員17万人の「働きがい」を調査して明らかになったのは、この「時間自律性」に気づき、それを高める努力をすることが、自分で自分を評価することにつながるということです。 他人依存ではなく、自分軸の評価が、働きがいだけでなく、生きがいも高めることがわかっています。 グローバル企業のエグゼクティブであっても上司がいますから、彼らも評価される側であることは同じです。 彼らが休日を楽しんでいる背景には、誰からも評価されることのない自分だけの自由な時間を謳歌することで、生きがいや働きがいを見出している......という側面があるのです。 世界の一流が休日に自分の趣味を楽しんでいるのは、休日を通して「自己効力感」を高めようと考えていることに理由があります。