「武蔵高校から2浪で東北大」浪人を後悔した彼がかなえた夢。高校生活は充実していたが成績は低迷
この年も、京大を第1志望としながら、同じく法学部のカリキュラムに必修科目がなかった東北大・北海道大の法学部も視野に入れていた宗前さん。 秋に受けた北大模試で小論文が全体の3位であったことから、「去年文3系を受けておけばよかった」という後悔もあったそうですが、自分を追い込んで勉強を続けた結果、3度目の共通1次試験では東北大法学部のボーダーには50点ほど足りなかったものの、前年を100点以上上回る780点を取ることができました。
「北大の文3系を受けようかとも思ったのですが、仙台に住んでみたいと思っていたのでギリギリまで迷った末に東北大に出願しました」 この年は併願だった慶応義塾大学の経済学部と同志社大学の法学部に合格していたこともあり、少し落ち着いて試験に臨めた宗前さん。手応え的に受かっているのかどうかわからなかったそうですが、現地まで合格発表を見に行きました。 「自分なりに(この3年間の)ケジメをつけるために東北大学まで見に行きました。出願が最後のほうだったので、私の番号はすごく後ろのほう。そのため、掲示の紙の下のほうに合格番号があるはずなのですが、人が多すぎて『見えない、見えない』と思いながら、隙間から掲示を見ていました。
上から番号を確認して、掲示の紙のスペース的にも、もう合格者がいちばん下の番号の1人しかいないところまでいきました。『誰なんだ、誰なんだ』とドキドキしていたのですが、それが自分の番号で、すごく感激しました」 合格者としては最後の番号に自分が掲載されていたことに感動した宗前さんは、こうして激動の浪人生活を終えることになりました。 ■浪人しなくてもよかったと今では思う こうして2年に及ぶ浪人生活を終えた宗前さん。浪人してよかったことを聞いたところ「ありません」との答えが返ってきました。ただ、結果的に浪人を経験したことで、「自分の特性を理解できるようになった」と語ります。