古田新太「実は破天荒ではなく気遣いの人。それが自分の強み。個人主義は、仕事でも家族関係でも変わらない」
◆実際は破天荒ではなく、気遣いの人 役柄では破天荒な人物を演じることの多い古田さんだが、ご家族との関係は良好で、娘さんは必ず全舞台を観劇に来るという。古田さんの私生活や人間関係の極意とは。 こう見えて、実は破天荒ではないんですよ。それが、人生を歩む上での自分の強みかな。すごく人に気を遣うタイプです。だから、飲み屋で揉めたことがない。人のグラスの下の水滴とかも、気になってすぐ拭いちゃう。グラスが空いてたら「もう1杯飲む?」って聞くし、「もういいです」と言われたら「よし、じゃあ帰ろう。お勘定」となる。 完全に個人主義なので、劇団で稽古や本番をやっていても、終わったら勝手に1人で飲みに行っちゃう。その日行く店を聞かれれば答えるけど、そのぐらいかな。「飲みに行こうよ~」っていうのも絶対嫌だし、一緒に飲んでいて帰ろうとすると「帰んなよ」っていうやつも嫌い。「帰りたいんだよ、オイラは今」って。あと、「もっと飲めよ」とか言うやつも大嫌い。オイラのペースで飲んでるのに、ほっといてくれよって思うね。 家族関係でもこれは同じで、みんな個人主義。たとえば、旅行の途中で道の駅とかに行くじゃないですか。入った瞬間に、妻、娘、自分の3人ともバラバラに分かれます。14時にあそこの店に集合ね、みたいな感じで。何も干渉しないし、お互いに何をしていようがおかまいなしです。 干渉も強制もされたくないから、しない。そのほうがストレスを感じないし、怒ることもないじゃないですか。だからこそ、家族関係も良好なんだと思います。
◆変わったこと・変わらないこと 年齢的な体の変化も至るところに感じていて。ずっと無理をしてやってきたし、スタンスとして「やれません」「できません」って言うのが嫌だから、「はい」と言ってやるんだけど、体は正直しんどいですね。 今回も前作の『天號星(てんごうせい)』ほどではないけど、まあまあ戦いのシーンがあって、そこは殺陣師の人たちと相談しながらやっていくことになると思います。60歳になっても、飛んだり跳ねたりしていたら面白いのかなと思うけどね、だって同世代でそんな人いないから。 体力面での変化はあるけど、昔から変わらず休肝日は作らない。「翌日にお酒が残ってる」なんて、ずっと酔っぱらっていたら二日酔いにはならないし、しんどくもない。飲み続けていてもセリフが言えれば、仕事になるから。でもそろそろ切れそうだから早く飲まないと(笑)。では、今日はこの辺で。
古田新太