「何かを犠牲にすることで、何か良いものが入ってくる」70歳・独身の池畑慎之介が自分らしくイキイキと暮らせる秘けつ
「先の不幸は考えないようにしている」マイナス思考に今の楽しみを奪わせない
――70代を迎え、池畑さんは健康維持のために取り組んでいることはあるのでしょうか。 池畑慎之介: 年齢的に無理なことはしたくないですね。月に1日何時間体操してとか、運動を習慣にしてとか、そういうのはいいかな。70年生きて、54年間芸能界で頑張ってきたんだから、もうちょっと好きにさせてよって思うんですよね。 ただ、自然と家の外に出たくなるような工夫はしています。前の家は、家の中にいながら海が見える眺望だったのですが、今の家はどこからでも海が見える間取りにはあえてしませんでした。家から海も見えるんだからどこにも行かなくてもいいやって思ってしまって、家から出なくなってしまう。海を見に行こう、と思ったら外に出かけるようにしたかったんです。それくらいしないと家にこもって外に出なくなりますからね。 ――70代を迎えられてもイキイキと生きるための秘けつは何でしょうか。 池畑慎之介: あんまり先の不幸なことを考えないようにしていることかな。未来に不安を抱くことって大事かもしれないけど、何か楽しみが奪われてしまっているように感じてしまうんです。マイナス思考になってしまうし。ああなったらどうしよう、こうなったらどうしようと考えるよりも、なるようになるさって思った方が良い。 私は年齢を背番号だと思っています。私は「今年から10年間、70番台の番号が付けられる」という気持ちです。70代って言っても1人ひとり体力が違えば育ちも違う。その人の趣味嗜好も違うんだから、年齢なんて関係ないですよ。 ----- 池畑慎之介 1952年大阪府生まれ。1969年、映画『薔薇の葬列』で俳優デビュー。同年には『夜と朝のあいだに』で歌手デビューを果たし、日本レコード大賞最優秀新人賞、ゴールデンアロー新人賞を受賞。俳優活動のときは「池畑慎之介」、歌手・タレント活動のときは「ピーター」名義を使い分けていたが、2019年から「池畑慎之介」に名義を統一。現在も俳優・歌手・タレントとして芸能活動を続ける。 文:冴島友貴 制作協力:BitStar