「面接官ガチャ」を防ぐには? 「キャンプ」に「サウナ」…企業で広がるユニークな選考方法
就活の採用面接は、オフィスの一室で面接担当者と向き合い、緊張と闘いながら質問に答えるもの……とは、今は限らないようです。相性が悪い面接担当者に当たってしまい、自分の良さを出せなかったと嘆く「面接官ガチャ」という言葉も生まれています。面接で、学生がありのままの姿を出せるように、従来の常識にとらわれない、ユニークな手法で応募者の選考を行っている企業に話を聞きました。 【写真】お花見、エイプリル、サウナ…ユニーク採用とは?
人事、採用のコンサルティング事業などを行うNOVEL(ノーベル)は、2023年度新卒採用の最終面接をキャンプの形で実施しました。「いっしょにキャンプ面接」と名付けられたこの選考は、面接担当者や就活生という立場を意識せず過ごせる場で本音を語り合い、お互いの価値観や性格を理解することを目的としています。 また、Z世代を対象にした企画やマーケティング事業などを手がける企業「僕と私と」は、21年から希望者を対象に「サウナ採用」を始めました。プライベートサウナ施設での「サウナワーケーション」(サウナや食事を楽しみながら仕事も行う活動)に応募者を招き、面談を行う採用方法です。 サウナ採用を発案したのは、20年に同社を設立した今瀧健登・代表取締役社長です。 「応募者と私が一対一で話す時間もありますが、いわゆる採用面接というよりは、カジュアルな面談ですね。弊社に興味があって、しかもサウナが好きな人ならば、まずは会って話をしてみようよ、というイメージです」(今瀧社長)
応募者の「素」を知りたい
同社は決まったオフィスを持たず、ほぼすべての業務をフルリモートで行っています。社内ミーティングや採用面接は基本的にすべてオンラインという同社が、サウナというオフライン、かつ、密な空間を採用活動の場に選んだ理由は、「サウナは取りつくろわず、リラックスした状態で応募者の人となりに触れられる場所だから」です。 「応募者の『素』を見られるのが、サウナ面談のいいところです。一般的な採用面接では、ある程度は質問のパターンが決まっていますが、サウナでの面談では『普段はどこのサウナに行っていますか』などと雑談から始めて、仕事に対する価値観や将来の希望なども聞くことができますし、サウナに入る前の準備や出た後の身支度などの細かい部分からも、その人の性格や個性はわかります。もっとも会話や行動を逐一チェックしているわけではありませんが」(今瀧社長)