謙信公祭2024を終えて。宝塚で21年、フランスの軍人は演じたが戦国武将は初体験!「お館様」と呼ばれた、暑くて最高に楽しかった夏
◆いよいよ出陣行列 憧れの甲冑工房丸武さんの甲冑を着て、白い頭巾を被り、刀を付けたら、元男役の形状記憶、戦闘態勢万全です。 謙信公祭は、上杉軍各隊の武将と共に、謙信公が幼少時代を過ごしたお寺・林泉寺で出陣報告をするところから始まります。 1年に1度謙信公祭の日にだけ開く、春日山城の裏門を移築したと伝えられている市の指定文化財の惣門を通り、太鼓の音が鳴り響く中、上杉軍の武将は背中に名前のついた旗を立て、進んでいきます。 台本で確認し覚えた上杉軍の武将達。 何となくすぐに覚えた名前の鬼小島弥太郎。本名でしょうか? 鎧兜の武将たちはなかなかの迫力です。 林泉寺で出陣報告をし、春日山神社で安全祈願の玉串奉奠を行い、いよいよ出陣行列です。 謙信公祭に7回謙信公役として出演されていたGACKTさんのご自前の白馬に密かに憧れを抱いていた私。 前日に対面した私を乗せてくれるお馬さんが白馬だったことに大感激しました。 そのお馬さんの名前は、ミライちゃん。 とても穏やかで優しいお馬さんでした。 沿道にはたくさんの方々が「お館(やかた)様―!」と、途切れることなくずっと声援を送ってくれていました。 ミライちゃんと共に、口上を述べるメインの交差点に到着したとき、上杉軍は全軍片膝をつき迎えてくれました。 「いよいよ出陣のときじゃ! 我ひとりでは何事も成し遂げることは出来ない。皆を信じ、皆を頼り、この上杉は進んでいくのじゃ。 その為に上杉は礼儀・礼節に重きをおき、皆と、そして越後の民と同じ目線で物事を進めることが必要になってくる。 そうすれば自ずと人はついてきてくれる。 皆で同じ方向を向き、誰一人取り残すことなく、全員で未来に進んでいくこと。 それこそが我が思う上杉の〈義〉じゃ」 以前私が何かで話していたことを、演出家の方が見てくれて台詞に入れてくださいました。 大正15年から始まった謙信公祭は来年100回目を迎えます。 「全員で未来に進んでいく」99回の謙信公役の私はその言葉に想いを込めました。 馬のミライちゃんも、未来という言葉にちょっと反応していました。
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