謙信公祭2024を終えて。宝塚で21年、フランスの軍人は演じたが戦国武将は初体験!「お館様」と呼ばれた、暑くて最高に楽しかった夏
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第81回は「謙信公祭2024」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて) 【写真】馬のミライちゃんに乗っていざ出陣! * * * * * * * ◆上杉全軍進軍!! 東村アキコさんの漫画、『雪花の虎』。 戦国の世を義を貫いて駆け抜けた軍神・上杉謙信。 毘沙門天の化身とされる名将中の名将は、実は、女だった… という女・上杉謙信のお話です。 越後の虎とも越後の龍とも呼ばれた謙信が、実は女性だったのでは、という説があります。 上杉謙信女性説の根拠は数多くあり、その1つが、謙信は生涯独身で妻を娶らず、子どもも1人としてもうけなかったこと。 そして、謙信の死因が「大虫」という婦人病の一種だったことだといわれています。 謙信が生きた時代、女性の城主はめずらしい存在ではなかったといいます。 女性城主を認めなかった徳川家を恐れ、謙信を男性として語り継いだのではないかという、ちょっと『ベルサイユのばら』のオスカル的な説もあります。 他にも女性説はまだまだあり、にわかに真実味を帯びています。 そんな東村アキコさんの描いた女・上杉謙信。 戦国の世を大暴れした女性がいたとしたら夢があってとてもおもしろい。 そんな漫画のように、8月24日、私は上杉謙信として勇壮な戦国絵巻に出陣しました。 「上杉全軍進軍!!」 3歳からバレエに夢中になり、踊ることが大好きで宝塚に入り21年。 演じたことのあるフランスの軍人はいても、戦国武将は私が全く通ってこなかった世界です。 歴史は、役を演じることで深掘りし学んできました。 日本だと飛鳥時代と源氏物語の世界、だいぶ戻ってイザナギ、イザナミの国生みのスメラミコトという天皇を演じたこともありました。 はじめましての戦国武将。 未知の世界の戦国時代にハマっていく過程は、ここ何ヵ月かの連載に書かせていただいた通りです。 家紋、甲冑、陣幕、刀、聖地巡礼、じわじわとその魅力にハマっていき、あっという間に謙信公祭のその日を迎えました。
【関連記事】
- 越乃リュウ「宝塚を退団して10年、初めて感じた男役のブランク。上杉謙信公を演じるため、重い刀で、まずは抜刀納刀の練習」
- 「第99回謙信公祭」まで2週間余り。スケールが超ド級な上杉謙信公役の先人・GACKTさん。越乃は新潟愛を旗印に戦に臨みます!
- 「私も越後のリュウです!」最も親しみのある人物〈上杉謙信公〉を演じることになり、謙信公ゆかりの地・越後春日山林泉寺を訪ねて
- 越乃リュウ「瀬奈じゅんさん、彩乃かなみさんと観劇。月城かなとさん、海乃美月ちゃん、ご卒業おめでとうございます!鳳月杏さんへバトンを」
- 歴史に惹かれたのは、宝塚の黒紋付の「家紋」から。「上杉笹」の家紋を背負い、この夏上杉謙信として川中島にいざ出陣!