この大会だけしか見ていなかった。白井空良が悲願の世界選手権初タイトル「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」男子決勝
【ベストトリック1本目】
ラン2本を終えた時点で、うまく高得点をマークした日本人勢のような選手たちいる一方で、ランを得意とするナイジャ・ヒューストンが転倒などのミスが続き苦戦を強いられるなど、それぞれ異なる感情が交錯する中で迎えたベストトリック1本目。やはり世界選手権というだけあってかベストトリック全体を通して90点台が連発する超高難度トリックが凌ぎを削る展開となった。 まず90点台の得点を叩き出し、この熾烈な戦いをスタートさせたのは今回絶好調の根附だ。正確な「ヒールフリップバックサイドノーズブラントスライド」をメイクすると93.75ptをマーク。その流れに続き、アレックス・ミドラーがスタイル溢れる「ギャップオーバーバックサイドノーズブラントスライド」で91.87ptをマークし90点台の流れが続く。
そこでこの流れを一段階引き上げたのは、ランから完全に自分のペースに試合を持ち込んでいる白井。「ノーリービックスピンバックサイドテールスライドビックスピンアウト」を中央のハバレッジで決めると95.66ptという高得点をマークし更にリード。 そんな白井に続いて90点台を1本目でマークしたのはランでのミスを巻き返すトリックを見せたヒューストン。今シーズン出場したWST大会では全て勝利してきた彼は、さすがといえる余裕のある「キャバレリアルバックサイドノーズブラントスライドフェイキー」をメイクすると90.19ptとしベストトリックをスタートした。
【ベストトリック2本目】
2本目では1本目のスコアを伸ばすため、各選手がアップデートした高難度トリックをチョイスしたことからミスが多くなった印象。そんな中で2本目も連続でトリックを決めて見せたのは白井と小野寺だけだった。 周りの選手がミスをする中、その影響を受けず自分のゾーンに入ってさらに勝利に近づくトリックをメイクした白井は、ベストトリック2本目では「バックサイド180スイッチフロントサイドクルックドグラインド」をメイクすると92.85ptをマークし暫定1位の座を固めていく。自分の思う通りのライディングができたことに喜びを表すように、特徴的な刀を振るような仕草を見せた。