味の濃い食べ物を好む人は注意…病気のリスクを抱えてしまう恐ろしいカラクリ
動物愛護の観点も重視
また、動物愛護の観点から、食肉用の牛や豚、鶏がどんな環境で育てられたかも重視している。 アメリカの畜産農家の中にはあまりに酷い環境で動物を育てたり、劣悪な食材を市場に流通させたりしているところがあるのも事実だが、ホールフーズはその点も徹底して管理している。 私も日々、このホールフーズで買い物をする。色とりどりのみずみずしい野菜や果物を食べることに幸せを感じるし、体の中に栄養が行き渡るような感覚を持つことができる。
鮨屋の大将とシャリの味
そんなニューヨークから東京に戻ったとき、決まって行くお鮨屋さんがある。その店の大将は鮨の激戦区・東京においても技術の高さに定評があり、若くして都心の超一等地に店を構えている。 ビル街にそっと佇む日本家屋風の店。8人ほどが座れる檜のカウンター。モダンな掛け軸。気さくな大将の慣れた手さばきで握られる「おまかせ」は、味も香りも絶品だ。 ある日、1年ぶりに訪問した私は、予約した時間から30分ほど遅れてしまった。恐縮しながら店に入ると、大将は笑顔で迎えてくれた。 すぐにお通しが出てきて、「握り」が始まる。コハダ、アジ、マグロ。相変わらずおいしい。そこであることに気づいた。1年前とシャリの味がほんの少しだけ違うのだ。 その日はたまたま他のお客さんがいなかったこともあり、気心の知れた大将にこう聞いてみた。 「シャリの味、少し変えましたか?」 すると大将は、驚き、やれやれという感じで話し始めた。 「いえ、何も変えてないんですよ。もう驚いちゃうなあ……。石村さんだから本当のことを話しますけどね、いらっしゃるのがちょっと遅れたでしょ。定刻にシャリを最高の状態にするためスタンバイしていたので、お待ちしている間にほんの少しですけど酢飯の酢が抜けていったんです。ほんの少しですよ。普通はこんなわずかな違いがわかる人なんていないんです。一体どんな舌をしてるんですか!?」
人間が味覚を感じるメカニズム
人間が味覚を感じるのは「味蕾(みらい)」だ。舌の表面にあるブツブツとしたもので、赤ちゃんの口の中には約1万個あり、それが加齢とともに減少していく。成人で約7000個、高齢者では約3000個に減ると言われている。 じつは、周囲では私の味覚はちょっとした評判だ。盛られた料理から見た目にはわからない味の変化、隠し味、細かな食材まで感じることができる。とはいえ、私は自分の味覚を誇らしげに自慢したいわけではない。本来、人間の味蕾は繊細な味を感知できることを伝えたいのだ。 私は強いストレスがかかったときにジャンクフードを欲しくなることがあるが、普段は天然由来の野菜や果物をたくさん摂るし、主食は玄米が中心だ。長年その食習慣を続けていると、味蕾は本来の機能を発揮するため、何層にもなった繊細な味を分別できるようになる。