アイスペースの月着陸船、15日に米国で打ち上げ…日本の民間初の快挙に再挑戦
宇宙新興企業「アイスペース」(東京)は9日、同社の月着陸船「レジリエンス」を15日午後3時11分に米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げると発表した。最短で5月末頃に月に到着し、着陸に成功すれば、日本の民間企業として初めての快挙となる。
着陸船は米スペースXのロケットで打ち上げられ、4か月半後に月の周回軌道に入り、高度約100キロから月面に降下する。着陸後は、探査車「テネシアス」を船内から出し、装備したスコップを遠隔操作して、「レゴリス」と呼ばれる月の砂や石を採取する計画だ。
アイスペースは、採取したレゴリスの所有権を米航空宇宙局(NASA)に譲渡する契約を結んでおり、実現すれば、国内企業が宇宙資源の商取引を行う初の事例になるという。
同社は2023年春、民間企業として世界初の月面着陸に挑戦したが、高度を測定するセンサーが正常に働かずに失敗した。今回は、センサーを機能させるソフトウェアを改良したほか、急な傾斜や岩などが少ない安全な着陸地点を選んだ。
同社はこの日、打ち上げまでの時間を表示したカウントダウン時計をお披露目した。記者会見した袴田武史・最高経営責任者(CEO)は「初の月面探査への挑戦を通じて、世界に興奮を届けたい」と意気込んだ。