花岡竜、涙のRISEスーパーフライ級新王者「うれしくて泣いちゃいました」 フライ級女王テッサは王座死守
「キックボクシング・RISE184」(15日、後楽園ホール) 第3代RISEスーパーフライ級王座決定戦が行われ、3位の花岡竜(21)=橋本道場=が1位の政所仁(26)=魁塾=を判定3-0で破り、新王者となった。 【写真】判定で王座を死守し笑顔のテッサ・デ・コム 両者は3度目の対決で、初対決は花岡がTKO勝ち、再戦は政所がKO勝ち。決着戦となった今回は、1ラウンドから花岡が「ハマった」と振り返った通りフットワーク良く距離を支配し、「足をつぶす」という作戦通りにインカーフと軸足払いで政所を崩して、パンチから蹴り、蹴りからパンチのコンビネーションで攻め込んでいく。 政所はバランスを崩されるシーンが目立ち、3回終了時点で採点は30-27が3者と、花岡が政所を完封した。 じり貧の政所は花岡が「5ラウンド通して分かった」と振り返ったように焦りがあらわで、一発逆転を狙ってかビッグショットを繰り出していくが空転する。最終ラウンドは余裕の花岡がノーガードで政所の攻めを交わし続けて終了。50-45が2者、50-46が1者と、大差の判定で花岡がベルトを巻いた。 グローブで涙をぬぐった花岡は「うれしくて泣いちゃいました」と照れ笑い。「5ラウンドで完封できたと思う」と胸を張り、ベルトを返上して世界を目指している前王者・大﨑一貴と「もっともっと強くなって対戦できるよう頑張ります。国内は俺は引っ張っていく」と目標を掲げた。 花岡は前回の1回KO負けのイメージが大きく「ホントに怖くて緊張した。倒される怖さというか、走馬灯のようにずっと頭にあった」と告白し、「克服できた」と喜んだ。政所のパンチは「めちゃめちゃ重いんで何回か飛んだ。けっこうスレスレもあった。スリリングでした」といい、「相手のいいところを消すというか」と、政所にいい場面を作らせなかった。 完敗の政所は「負けたなって感じですね。全体通して何がやりたかったのか自分でも全く分からなかった」と、落胆が大きかった。 ◇ ◇ セミでRISE QUEENフライ級タイトルマッチが行われ、王者テッサ・デ・コム(24)=オランダ=が、RISE初の同時2階級制覇を狙ったミニフライ級王者・小林愛理奈(24)=ファッシネイトファイトチーム=の挑戦を退け、初防衛に成功した。 テッサが「何発か効いた」という顔面やボディーへのパンチ、右前足への右ローキックを的確に入れてくる小林にてこずりつつも、テッサもパンチと蹴りを上下に打ち分けるコンビネーション、膝蹴りで対抗。ともに驚異的なタフネスで相手の攻めに耐え、攻撃を出し続けたが、手数足数で勝ったテッサが判定3-0で激闘を制した。 テッサは「ベルトを守れて、私が真実のチャンピオンだと強くハッキリ言えます。このベルトは私のもの、誰にも渡しません」とマイクアピール。「長い間立てたプランが3つ全部うまくいった」と振り返り、効果的だった左テンカオは「効いたのが分かったので、蹴ることに集中した」という。 ◇ ◇ RISE QUEENアトム級王者の宮﨑小雪(21)=トライハード=がスーパーファイトアトム級でWBCムエタイインターナショナル女子ミニフライ級王者で女子同級1位のタン・スアン・ユン(20)=シンガポール=を迎撃した。 終始押し気味に試合を進めた宮﨑は2回終盤に鮮やかな左ハイキックを命中させ、2回2分58秒、KO勝ち。「ハイキックをお姉ちゃん(若菜)と練習していて、キレイにハマって本当にうれしい。努力は裏切らないと実感しています」と喜んだ。 今年は3月のK-1との対抗戦でK-1女子アトム級王者の菅原美優に判定勝ちし、日本一の座に君臨。この日で連勝を「14」に延ばした宮﨑は、伊藤隆代表に「そろそろ世界タイトルをお願いします」とアピールした。