【箱根駅伝】横溝三郎監督が亡くなり、喪章をつけて臨んだレースでシード権 東京国際大学「後ろからパワーをいただいた」
1月2日・3日に行われた第101回箱根駅伝で、2年ぶりに出場した東京国際大学が8位に入り、シード権を獲得した。最終10区は8位集団で4校が争う展開。最後の最後で勝負を制した選手たちは、笑顔と安堵(あんど)の表情を見せた。 【写真】「花の2区」で新たな区間記録保持者となったリチャード・エティーリ
2区エティーリが驚異の区間新記録をマーク
11月14日に監督を務めていた横溝三郎さんが亡くなり、中村勇太ヘッドコーチが監督代行に就任してチームの指揮を執った。選手たちは喪章をつけて箱根路に臨んだ。 1区は中央大学の吉居駿恭(3年、仙台育英)が序盤から飛び出し独走する展開。東京国際大で1区にエントリーした木村海斗(4年、狭山経済)は2位集団の中で走り、ラスト1kmのスパート合戦では後方になったものの、集団内トップの駒澤大学・帰山侑大(3年、樹徳)とは16秒差、14位で襷(たすき)を2区のリチャード・エティーリ(2年、シル)に渡した。 5000m、10000m、20km、ハーフマラソンの日本学生記録を持つエティーリの走りは圧巻だった。2kmまでに9人を抜いて5位に浮上すると、さらに前へ。7.5km過ぎで駒澤大の篠原倖太朗(4年、富里)をいったんは抜いたが篠原と並走となり、13km過ぎで前を行く早稲田大学の山口智規(3年、学法石川)を抜いて2位に。17kmを過ぎで篠原を引き離すと、ペースを落とさずそのまま戸塚中継所に飛び込んだ。タイムは1時間05分31秒。2021年の第97回大会でイェゴン・ヴィンセント(現・Honda)がマークした区間記録を18秒も更新した。 3区の佐藤榛紀(4年、四日市工業)は区間14位と苦しみ、順位を五つ落として7位に。4区の大林洸己(4年、須磨学園)は区間10位で粘り順位をキープしたが、5区山上りに臨んだ主将の楠木悠人(4年、小林)のペースが上がらず区間18位、往路は11位で終えた。シード権を得られる10位とは31秒差で復路を迎えることになった。
一時シード圏外に下がるも、ラスト勝負で総合8位に
復路6区は中山拓真(3年、青森山田)からスタート。前を行く日本体育大学の石川龍芽(4年、名経大高蔵)を抜いて10位のシード圏内に浮上した。7区の冨永昌輝(4年、小林)は1秒後ろでスタートした順天堂大学・吉岡大翔(2年、佐久長聖)のハイペースについていき、8km過ぎで前を行く東洋大学と立教大学に追いついて8位集団を形成。そのまま吉岡と走り、最後は離されたものの、区間4位の好走で9位での襷リレーとなった。 8区の益田郁也(4年、千原台)は18km手前で後ろからきた日体大と東洋大に抜かれ、さらには帝京大学にもかわされて順位を12位に落としてしまった。しかし9区で襷をもらった菅野裕二郎(3年、学法石川)の粘りが光った。予選会のあとに疲労骨折をしてしまい、3~4週間ほど練習できない時期があったというが、ブランクを感じさせない力強い走り。鶴見中継所手前で日体大を抜き、シード圏内まで21秒の11位でアンカーの大村良紀(3年、浜松商業)に託した。 大村はハイペースで前を追い、2.4kmで順天堂大の古川達也(2年、市立橘)をとらえて後ろについた。5.5kmすぎで東洋大の薄根大河(2年、学法石川)を、5.9km手前で帝京大の小林咲冴(1年、樹徳)をとらえ、4人の集団に。そのまま4人で走り続け、ラスト1kmとなったところで大村がスパート。そのまま総合8位でゴールに飛び込み、シード権を獲得した。