「こんがり焼けたトーストは体に悪い」は本当か…老化を進める"糖化"を無理せず避ける画期的な方法
私たちの老化を進める原因物質として、今話題になっている「終末糖化産物(AGEs)」。管理栄養士の成田崇信さんは「体内で生成されるだけでなく、食品からも摂取しているが、少し気をつける程度でいい。あまり神経質に避ける必要はない」という――。 【この記事の画像を見る】 ■「終末糖化産物(AGEs)」とは 最近、健康関連のニュースで「糖化」という単語をよく目にするようになりました。正確には「終末糖化産物(Advanced Glycation End Products:以下AGEs)」といい、私たちの体の老化を進めるとされている物質です。 血管の内側で発生すれば動脈硬化の原因に、皮膚や軟骨のコラーゲンが糖化されると弾性を失ってシワやたるみ、関節痛、骨粗鬆症などの原因になると推測されていて、さまざまな老化の原因物質として注目されています。 AGEsは体内で生成されるだけでなく、食品にも含まれているもの。たんぱく質のアミノ酸と糖(ブドウ糖や果糖など)による化学反応(メイラード反応)によって作り出されます。メイラード反応は熱を加えることで反応が強くなり、さらに時間の経過により増加するため、たんぱく質と糖を含む食品を加熱調理したり長期間保存したりすると、さまざまなAGEsが作り出されるのです。こう聞くと摂取しないよう気をつけたいという気持ちになりますが、食品中のAGEsは本当に危険なものなのでしょうか。 ■危険なAGEs「アクリルアミド」 食品に含まれる有害なAGEsの代表格は、アクリルアミドです。2000年代初めに発がん性が指摘され、話題になりました。しかも、遺伝毒性を持つ事が明らかになり、少量であっても無毒とはいえないため、食品には含まれていないことが望ましい化合物に分類されます。 ところがアクリルアミドは、アミノ酸である「アスパラギン」と「糖類」からできるAGEsであり、もともとは含まれていない食品でも加熱調理や長期保存により増加します。アクリルアミドは食品中の水分が少ない場合や高温を加えた場合により多く発生するため、同じ加熱調理でも「揚げる」「焼く」といった調理法に比べて、「茹でる」「蒸す」という水を利用した調理法のほうが低減できることがわかっています。 なお、以下のような食品には、アクリルアミドが特に多く含まれています。 【アクリルアミドの多い食品例】 ・フライドポテト、ポテトチップスなどのじゃがいもを揚げた料理やお菓子 ・天ぷら、唐揚げなどの揚げ物 ・クッキーやビスケット、シリアル、マドレーヌなどの穀類を原材料とする食品 ・コーヒーやほうじ茶、炒り豆などの焙煎した飲食物 ・せんべい、おかき、黒糖、かりんとうなどのお菓子