オフィスで長時間働くことは美徳なのか 労働者としての幸せはどこに?
この結果について、調査を行ったNTTコミュニケーションズの担当者は「調査によると、テレワーク環境での報告や連絡はメールでできるが、込み入った相談などは電話でしたいという意見が多い。当社でもスマートフォンやパソコンを会社の内線電話として活用できるArcstar Smart PBXというクラウドサービスを提供しており、星野リゾートなどが在宅ワーク環境を導入するために活用している。今後も多くの企業のテレワーク導入に活用いただき、ビジネスパーソンのワークスタイルを変えていきたい」と語っています。 テレワークの推進は、従業員のワークスタイルに柔軟性を生み出し、オフィスでの長時間労働を解消することができる有効な対策のひとつであることは間違いありません。しかし、課題はコミュニケーションの不安以外にもあります。それは、テレワークは従業員側に高い自己管理能力が求められるということです。出勤時間・退勤時間が決められ、上司の監督のもと仕事をするオフィスワークと異なり、テレワークは従業員を縛るものが緩和されるわけです。その中で結果を出すためには、従業員自身が自分の仕事をマネジメントしなければならず、それを誤ると「仕事で結果が出せない」「結局深夜まで仕事に縛られる」という結果を招きかねません。テレワークは欧米では一般的になってきている考え方ですが、日本でも様々な企業による導入が進めば、その効果についてケーススタディを検証していく必要があると言えるでしょう。 この点について、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、地方自治体と一般企業が参画しているテレワーク推進フォーラムに話を伺ったところ、「テレワークの導入に当たっては、仕事の進め方や上司の管理能力の在り方が大きく変わるため、社内の意識改革や再研修、運用方法の確立、働きすぎ防止などのための勤務規定の策定などを全社的に進める必要がある。経営者が働き方の変革にコミットメントを持ち、生産性や労働時間の削減などに目標を立て、アクションプランを実施し、その効果を検証していかなければ、全社的な働き方の変革は生まれないのではないか」とコメントしています。