フットボールと歩んできた100年──「UMBRO(アンブロ)」の変わらない伝統と革新的な機能性をひもとく
ーイギリス本国のブランドイメージを大切にしているとのことですが、デザイン面ではいかがでしょうか。 島村: 昨今のユニフォームは派手なグラフィックが多いと思いますが、アンブロはイギリス発祥のブランドということで、伝統的なデザインを意識しています。シンプルなデザインだけれども、素材やパターンにこだわることで、懐かしさの中にもどこか新しさを感じられるものに仕上げています。
特に、今回の100周年記念の商品はデザインに力を入れました。ここまで大胆にユニオンジャックのイメージを落とし込んだ商品はこれまでなかったのですが、イギリス発祥で100周年のブランドという点を商品に語ってもらうことをコンセプトにしたので、うまく表現ができたと思います。
ファッションブランドとの融合
ーここまで伝統を大切にしているからこそ、多くの人に愛されているブランドなのでしょうね。 島村: フットボールにフォーカスしたオーセンティックな部分がありつつ、ライフスタイルにも影響を与えるブランドという立ち位置を確立したことが大きいと思います。
たとえば、2002年には、イングランド代表のユニフォームがポール・スミスとコラボレーションをしました。もちろん、これまでもこだわりを持ってユニフォームを作ってきましたが、ファッションデザイナーとコラボレーションをしたり、ローンチに際しては音楽ライブを行ったりして、ファッションブランドとも融合ができるブランドなんだという認知が広まりました。 フットボールにフォーカスをして100年の伝統があるにも関わらず、洗練されたファッションブランドとの繋がりもあるということで、サッカーに携わっている人やファッションに興味がある人から「アンブロって面白いブランドだよね」と感じてもらえていたらうれしいです。
ーファッションやストリートといった、専門分野以外から注目されることをどのようにとらえていますか。 島村: ストリートで古着が流行るようになり、アンブロの過去の強豪チームのユニフォームに再度注目が集まるなど、非常にポジティブにとらえています。 ですが、流行りは一過性のものでもあるので、熱が冷めてきた頃に忘れられないように、長い伝統を持つフットボールブランドであるということは、常に伝えていく活動をしていかなければならないと思っています。 ーブランドの認知という点では、どういった活動をされていますか。 島村: 若年層へのアプローチという点では、ファッションブランドとのコラボレーションは欠かせません。コラボレーションにより様々な反響を頂きまして、アンブロに関心のなかった層にまで名前を知っていただけたと思います。