ドラマチックレコード・新居歩美「M-1の予選動画は全部見ました!」
◇新居歩美が面白さに驚いたコンビ 先ほども書いたようにM-13回戦の動画、1本10分を140本近くすべて見たという新居に注目の芸人について聞いてみた。 「令和ロマン、ヤーレンズという大方決勝確定だろう、という所はまず抜いて、驚いたのは家族チャーハンです。正直、2年前とかまでお笑い詳しい人の中でもそこまで知られる存在ではなかったと思うんです。私は昨年の1回戦の動画を見て、ヤバい! と思ってすぐに劇場に観に行って。その舞台でもイチウケだったし、さらに今年もっと面白くなってる。手札がバレていないのも強みだなって。 それでいうと、私が通い始めたころに、好きな芸人さんがいたんですけど、その芸人を評して、お笑い好きの先輩が「まだみんなに知られる前に、M-1決勝へいってほしい」と言ってて、当時は良く分からなかったんですけど、今は言葉の意味が分かります。家族チャーハンか、金魚番長は決勝に行ってほしいですね」 準決勝に残らなかったコンビについても新居は言及する。 「たくろうが本当に面白くて。3回戦のネタだけで5、6回見ちゃいました。私が西の芸人さんに疎いだけだと思うんですけど、こんな面白いんだ! と思ったし、ずっと見れちゃう。永遠に取り残されるネタじゃないですか。誰かが永遠に取り残されてほしい。このネタの色々なバージョンを見たくなりました。 あと、これも準決勝には残らなかったんですけど、乙女ブレンド。これは毎年あるんですけど“出会えた!”と思ったコンビです。大学お笑いを通ってる方って、新しいお笑いを日常的に見ているから、ネタも新しいし、プロで何年もやっている芸人さんには書けない切り口のネタをやってるなって思いました。私がお笑いファンだからより刺さってるのかもしれないですね」 ◇TikTok狙いを微塵も考えてなかった曲がバズる 2024年は新メンバーの加入など、様々な出来事があったドマレコ。今年1年を振り返ってもらった。 「前のグループから今のグループに入るにあたって、私の中で明確にステップアップしようという目標があったんです。前のグループは10年以上続いた老舗グループで、その中で私は最年少で末っ子的な立ち位置。そこからドマレコになって、2022年、2023年はやっと前のグループに追いついた、という感覚で、今年に入ってやっとライブの動員や、ライブパフォーマンスとか、あと世間の評価的にも追い越せたかなって自負があります。 私はその景色が見たいために頑張ってきたので、7人で立った今、やっとここがスタートライン。ドマレコが4人だった時期にいっぱい負けて、悔しかったこととか、上手いグループと比べられてまだ未熟だから悔しかったこととかを経て、やっと今って感覚です」 ライブの動員も目に見えて変わったという。 「今年の夏頃から、動員もわかりやすく伸びました。昨年までの最高動員から、アベレージが倍近くになって、日によっては3倍くらいになったんです。これを自分なりに分析すると、これまでは初々しさの良いところと悪いところ、どっちもあったと思うんですね。 でも今は、メンバーがまだ初々しさを残しながら、強い曲も揃ってきてその曲をライブで育てて、ファンの間でも最近のドマレコ良いよね、もっと盛り上げよう! というムーブがあって。そうなってくると良い循環で、グループとしての新鮮さは保ちつつ、メンバーにも自信が付いてくるんですよね」 昨今、SNSで楽曲がバズることで動員を増やすグループも多いが、ドラマチックレコードにそこは合わなかったという。 「TikTokなどでバズりを狙った曲を発表したりもしたんですけど、グループの毛色として、TikTokで流行るような曲を出せるグループじゃないかもな、って思ったんです。かわいい、をテーマに歌うのも良いんですけど、それをドマレコでやるのはちょっと後ろめたさがあったんです、私たちはもっとエモーショナルで激情型だから、気持ちの乖離があって。 そしたら、TikTok狙いを微塵も考えてなかった『君はソナチネ』っていう曲が、推し活をテーマにしていることもあって、男性アイドルを追いかけているオタクの方々を中心に話題になりだして、知名度も上がった感覚があったんです。だから現場の評価が上がったタイミングで、まさかの曲きっかけでSNS評価も上がって。理想の形になりました」