新聞をビリビリに破いてすぐ捨てる…「話が抜群におもしろい人」が毎朝やっている意外なルーティン
■時間を置いて2回読む 【布施川】なります。話に説得力がありますよね。 【高井】誰かと飲みに行った時だって、「引っ越そうと思ってんだけど」みたいな話になってさ、「家賃大丈夫か、2000年代に入ってから一度も上がってなかった家賃が今上がってんだぞ」とか言える。 【布施川】言ってみたい! 【新倉】嫌味じゃない感じで、無理なく数字が出てくるのはすごいカッコいい。 【高井】そういうネタを仕込んで、言うタイミングを待っている(笑) 家族には「ウンチクおじさん」って言われるんだけど。 【新倉】口に出すことによって覚えるという手法は、教育業界ではわりと定番ですし、誰かに話すことで知識が定着しそうです。 【高井】気を付けているのは「ウンチクを垂れるためだけにウンチクを垂れない」ことだね。絶妙なタイミングで繰り出せると、気持ちいいから絶対忘れないんだよね。邪なインセンティブ(笑) 【新倉】身に覚えがあります(笑) 【高井】破ったページの棚卸しに話を戻すと、1~2週間ためると、だいたい半分以上は捨てる羽目になる。重要な記事でも、時間を置いて2回読むとわりと頭に入るから、もう不要だなと思ったら捨てる。それでも残ったのは保存用の壁掛けフォルダに差しておく。この保存用は数カ月か半年に一度、同じように棚卸しする。 完全保存版にするのは、重要だけどググっても出てこないようなやつかな。たとえば安倍元首相が撃たれたみたいな紙面は、超重要だけど、ググったらすぐ出てくるから、わざわざ紙は保存しない。1年もやると、年間のお気に入り記事みたいなコレクションができる。 ■ネットのブックマークより圧倒的に楽 【高井】短期の活用法を紹介します。僕はもう20年近くマーケットの状況を月1回、A4ペラ1枚にまとめるコラムを書いています。このコラムに使えそうな記事は絶対に破っておく。それが3枚もあれば執筆がメチャクチャ楽になる。 【布施川】そうですね。僕もネットで連載を持っているんですけど、ネタがあると書きやすいです。 【高井】ちゃんと新聞破るのを毎日サボらずにやるだけで、ゼロからだと2~3時間かかる作業が30分で済む。記事を探すのは日々の新聞チェックのついでにやるから、ものすごい時間の節約になるんです。 【新倉】私も教育関連の日刊ニュースを書いているんですけど、題材として使えそうな記事は手元のメモに残しています。それを今後、物理的に破いちゃえってことですね。 【高井】うん。教育だと日経には大学面とかあるよね。ネットのブックマークでも機能は同じじゃないか、と思うかもしれない。でも、経験上、紙を破いて置いておく方が圧倒的に楽で、見返しやすい。 ---------- 高井 宏章(たかい・ひろあき) 経済コラムニスト 1972年名古屋生まれ。1995年に日経新聞入社。マーケット、資産運用などが専門分野。2016年からロンドンに2年駐在。編集委員として動画解説「教えて高井さん」や「日経ニュースプラス9」のキャスターも担当した。「高井浩章」名義で2018年に出版した『おカネの教室』は10万部超のロングセラーに。日経退職後、YouTubeチャンネル「高井宏章のおカネの教室」を開設。Twitter、noteでも幅広く情報を発信している。2025年4月に千葉商科大学付属高校の校長に就任予定。三姉妹の父親で、趣味はビリヤード。 ----------
経済コラムニスト 高井 宏章