生きとったんかワレ!!!?? ホンダ新OS発表その名も「ASIMO」
本田技研工業(以下、ホンダ)は、米国ラスベガスで開催されている世界最大の電子機器見本市「CES 2025」において、 同社が開発する独自のビークル用オペレーションシステム(OS)の名称が「ASIMO OS(アシモ オーエス)」であると発表した。このOSは2026年前半(1年後)にグローバル市場へ投入するホンダの新BEVブランド「Honda 0(ゼロ)シリーズ」市販車に搭載されるとのこと。 【画像ギャラリー】ホンダ新OS発表その名も「ASIMO」全関連画像(11枚) 文:ベストカーWeb編集部、写真:HONDA
■万感の思いで「ASIMO」帰還を歓迎したい
2000年代前半にホンダの企業姿勢を象徴する存在としてTVCMに数多く登場し、全国各地のイベントやホンダ販売店に出張し、2000年12月にはNHK紅白歌合戦へゲスト出演もした二足歩行ロボット「ASIMO」。愛らしいデザインや音楽に合わせてボックスダンスを踊る姿は老若男女の人気を集めた。 いっぽうでロボット専門開発メーカー(ボストン・ダイナミクス社など)の伸長やモビリティへ転用する技術の高度化・細分化にともない、「二足歩行ロボットとしての開発と進化と露出」は徐々に減っていき、2016年頃には開発情報の更新がなくなり、2018年に「開発は中止され開発チームは解散した」と報じられたが、ホンダはこれを公式に否定。「ASIMOの技術と開発チームは今後ホンダの各種領域で活躍するだろう」と、「二足歩行ロボットとしての開発と進化」は事実上凍結されたことを認めつつも、ASIMOで培った技術はホンダ製品に継承されてゆくことは示された。 その「ASIMO」の名と技術が、次世代モビリティのソフトウェアプラットフォームに採用された。 ホンダの公式発表リリースによると、以下のとおり。 「Hondaは、ASIMOの開発終了後もASIMOの外界認識技術や人の意図をくみ取って行動する自律行動制御技術など、培ってきたロボティクス技術をさらに進化させてきました。Honda 0シリーズでは、これらと先進知能化技術を融合することで、Honda独自のソフトウェアデファインドビークル(SDV)の価値を提供することを目指します。 ASIMO OSは、ソフトウェアプラットフォームとして、AD(自動運転)/ ADAS(先進運転支援システム)やIVI(In Vehicle Infotainment/車載インフォテイメント)などのクルマのシステムを制御するECU(Electronic Control Unit)を統合的にコントロールします。」 冒頭で示したとおり、ホンダはこの「ASIMO OS」を、新BEVブランド「Honda 0」シリーズに搭載し、グローバル市場で2026年に市販開始する予定。今回の「CES 2025」では2車種のBEV「Hond a 0 SUV」と「Honda 0 SALOON」の進化版プロトタイプが公開され、特にSUVは「第1弾となる中型SUV」と説明があったことで「(SALOONではなく)SUVから市販されること」が明言された。 「Honda 0 SUVの量産モデルは、2026年前半に北米市場へ投入し、その後日本や欧州などグローバル各地域へ展開していきます。」とのこと。つまり約1年後に北米市場で市販が開始されることになる。 ASIMOが帰ってくる。それもホンダが社運を賭けた新BEVシリーズの車載OSとして。東京港区青山一丁目のホンダ本社ウェルカムプラザでダンスや駆け足やお茶出しサービスを披露するASIMOを何度も取材し、売店で大きなASIMOぬいぐるみを「買って」とねだる子供の姿を目撃してきた取材班としては、万感の思いでASIMO帰還を歓迎したい。