静岡ブルーレヴズ4季目で初の白星発進…リーグワン開幕戦で逆転勝利…同点トライのトゥポウ「みんなの声が後押ししてくれた」
◆ラグビー◇リーグワン 開幕節 静岡BR15-13神戸(21日・ヤマハスタジアム) 静岡ブルーレヴズがホームでの開幕戦を劇的な逆転勝利で飾った。レヴズは神戸に3―13とリードされて迎えた後半23分、今季新加入のWTBヴァレンス・タファーテ(24)がトライ。5点差の45分に途中出場のロック、ヴェティ・トゥポウ(24)がトライを奪って追いつくと、FBサム・グリーン(30)がキックを決めて15―13で競り勝った。レヴズの白星発進はリーグワン4季目で初めて。 ヤマハスタジアムが歓喜に震えた。後半45分、ゴール前での連続攻撃からレヴズ・トゥポウが同点トライを決めると、8000人超の観衆が総立ちになった。チームがホームで開幕戦を迎えるのは、4季目で初めて。ファンの前で最高のスタートを切り、トゥポウは「みんなの声が後押ししてくれた。自分で決める!という気持ちだった」と声を弾ませた。 試合終了のホーンが鳴ったのは、敵陣ゴール前のラインアウト時。スコアは8―13だった。ここでモールを押し込んで右隅にトライが決まったように見えたが、ビデオ判定で反則が認められて無効になった。だが神戸側にも反則があり、レヴズのスクラムから再開。CTBシルビアン・マフーザ(31)が倒されて終了かと思われたが、またもビデオ判定で神戸に「危険なプレー」が確認された。 そして45分、スクラムからトゥポウが決めた。藤井雄一郎監督(55)は「最後に勝っていればいい、と選手に話していたが、本当に最後の最後になった」と笑った。勝ち越しのコンバージョンキックを決めたグリーンも「(ビデオ判定で無効になった)最初のトライだと難しい角度だった。2回目は中央だったから自信を持って蹴ることができた」と目を細めた。 4季目で初の白星発進。神戸戦での勝利はリーグワン移行後初めてだ。勝因には「インパクトメンバー(サブ組)」の充実が挙げられる。トゥポウや日本代表の桑野詠真(30)ら重量級FWが後半途中から出場し、反撃ムードをつくった。「会場の熱気のおかげ」と桑野は言ったが、指揮官は「インパクトメンバーの練習もかなりやってきました」と話した。 厚くなった選手層にも自信をつけて、第2節(28日)は浦安戦(熊本)に臨む。桑野は「目標は優勝。下馬評を覆したい」と言葉に力をこめた。開幕から初の連勝で勢いをつける。(里見 祐司) 〇…チームの今季初トライを背番号23のタファーテが決めた。後半21分にピッチに立つと、23分にボールを受けて「相手ウィングの向こうにスペースが空いていた」と突破。182センチ、112キロの巨体でそのまま約50メートルを走り切った。11月中旬に練習生として来日し、今月16日に契約したばかり。日本デビュー戦の最初のプレーでトライを挙げ、「とてもうれしい。興奮した。実は足が速いんです」と笑顔だった。 ☆SH北村瞬太郎(立命大卒業1年目でリーグデビュー)「ラスト10分の出番で緊張しましたが、冷静にプレーできた。いい経験ができました」
報知新聞社