バイクブームという時代が生み出した、純正4ストミニバイクレーサー「モンキーR」
各部にはホンダのレーシングスピリッツが宿る
モンキーRのフレームや足回りは排気量アップや大径キャブレターの装着なども考えられた作りになっており、言ってみればモンキーのメーカー純正レーサーと言えるものであった。 フレームはスチール製のツインチューブタイプで、NSR50/80のフレームをこれをにしている。スイングアームもスチールながら角形を採用し、リアサスペンションはリンクを介さない直付けのモノショックタイプタイプとされている。フロントフォークはインナーチューブ径30mmの正立タイプで、油圧ダンパータイプとなる。 ホイール径はモンキーの8インチに対して10インチを採用してチューブレス化、ブレーキはリアはドラム式だがフロントにはディスクブレーキを採用している。その他、アルミ製のステップ周りやインナータイプのリアフェンダーなど、スポーツバイクをアピールするには充分な装備が与えられていた。 1988年にはこのモンキーRをベースにし、アップハンドルやアップフェンダーなどを装備し、オンオフタイヤを履いたモンキーRTもラインナップ。このモンキーRTは、楽なポジション+リアキャリアを装備するなどツーリング志向のモデルであった。しかし、このニ車種とも1990年までには生産が終了しており、モデルとしては共に短命に終わってしまった。ただ、モンキーRのミニバイクの域を超えた各部の作りには、ホンダのレーシングスピリッツが宿っているのである。
モンキーR主要諸元(1987)
・全長×全幅×全高:1510×610×800mm ・ホイールベース:1055mm ・シート高:650mm ・乾燥重量:67kg ・エジンン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒49cc ・最高出力:4.5PS/8500rpm ・最大トルク:0.42kgm/6500rpm ・燃料タンク容量:7L ・変速機:4段リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム ・タイヤ:F=3.50-10、R=3.50-10 ・価格:15万9000円(当時価格)
Webikeプラス編集部